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2013年3月14日 (木)

『日本はTPP交渉でいかなる修正も、文章の変更も、新しい提案もできない』

TPPが最大の山場となっている。
我がPARCのウッチーの報告のIWJの書き起こしなどを紹介します。


13日のTPPを慎重に考える会PARC内田聖子さん緊急報告会をIWJが文字起こしして
います。http://iwj.co.jp/wj/open/archives/67229
「『日本はTPP交渉でいかなる修正も、文章の変更も、新しい提案もできない』
と米国交渉官は語った」 秘密裡で進むTPP交渉会合の内幕を報告
mp3にアップされています⇒http://bit.ly/ZJy4Rf
※明日(3月14日)朝10時半より、内田聖子氏に岩上安身が緊急インタビュー!

なお、緊急報告会に出席した「山崎まや議員」も詳細な報告内容をアップしてる
のでこちらもご参考まで⇒http://maya-net.jp/blog/3016.html

ロリ・ワラックさんが訴える「日本のTPP参加は主権の放棄」
http://www.youtube.com/watch?v=fm-6DR6o3vs
インタビュー書き起こし
http://www.twitlonger.com/show/l9rmaj

以下ウッチー分の書き起こしです。

 3月4日からシンガポールで開かれているTPP交渉会合の内幕について、3月13日(水)、13時より行われた「TPPを考える国民会議・TPPを慎重に考える会 緊急報告会」で、アジア太平洋資料センター(PARC)事務局長 内田聖子氏が報告した。内田氏は、米国NGOパブリック・シチズンの一員として参加。国際NGOチームと共に、交渉官や出席したステークホルダー(利害関係者)への聞き取り調査を行った。

 以下、内田氏の報告内容。

内田氏「交渉会合の参加者は11カ国の交渉担当官と、企業・業界団体・NGO等の利害関係者、総勢600名。交渉会合は3月4日~13日まで行われる。もちろん日本はまだ交渉参加を表明していないので、参加できない。私は米国のNGOパブリック・シチズンのスタッフとして入れてもらった。

 交渉内容のポイントは、知財、環境、法的・制度的課題、金融サービス、投資、労働、市場アクセス。特に知財強化が焦点で、企業vsNGO、米国vs企業の構図がくっきり。特に米国の医薬品業界が、他国の交渉官に対して、知財強化を受け入れるよう、強烈に要求している。


 交渉は秘密裡に行われ、誰も近づけない。が、3月6日にステークホルダー(利害関係者)会議があった。企業やNGO、約70団体がブースを出展し、約40団体がプレゼンテーションを行った。企業にとっては商談の場、各国の交渉官へのアピールの場。

 聞き耳をたてると、『TPP妥結したらベトナムにはこんな商品を入れますよ』『もっと投資をしますよ』など夢のような経済発展があるかのような話をする。

 一方NGOにとっては、TPPの危険性・貧しい人達の権利を訴える場。しかし全体では企業の数の方が圧倒的に多いため、NGOは会場では疎まれる。

 ブースを設置した企業は、ナイキ、adidas、米商工会議所、米医薬品業界団体、GE、Google、タイム・ワーナー、vizaなど、私たちには馴染みの深い企業名が並ぶ。また、TPP推進企業連合もブースを出展。これはモンサント・カーギル・シェブロンなど名だたる多国籍企業を始め、100社が名を連ねる。日本の経団連とは比較にならない規模。

 3月8日には在シンガポール米国商工会議所主催のレセプションが行われ、もっともカジュアルに企業対交渉官が話す場が設けられた。なぜ議長国でもない米国の『商工会議所』が主催なのか。

 各業界のロビー活動として注目すべきは、『米国研究製薬工業協会(PhRMA)』が各国の交渉官あてに『知的所有権のさらなる強い保護』を求める要望書をリリースした。なんとこの協会には、ファイザーや、ジョンソン&ジョンソン、グラクソ・スミスクライン、ブリストルなどの米国多国籍企業の他に、日本のエーザイや第一三共なども名を連ねている。つまり、あくまで圧力をかけているのは米国の製薬業界だが、日本の製薬業界も、この協会に加盟することで、間接的にTPPの推進圧力をかけているということ。

 TPPを潰すためには、『情報』を取ってくることが一番重要。昨年リークされた1000ページ足らずの文書でも、企業有利に進められている実態が明らかになった。

 日本の交渉参加について。ステークホルダー会議後のカンファレンスで質問した。日本人ですと言ったら、米国の首席交渉官バーバラ・ワイゼル氏がとても嫌な顔をして睨みつけてきた。

 『日本の参加を各国は受け入れるか?』『どんな影響があるか?』『米国は日本に何を要求しているのか?』という質問に対し、『あらゆる国に対して特別扱いはない』と型通りの回答。

 しかし、日本の交渉参加について、企業のブレゼンテーションでは様々な場面で触れられていた。フォード社は、トヨタ、ホンダ、ニッサンを名指しし、 『日本の自動車業界が問題だ』と発言。

 米商工会議所の副会長は『日本は米国との間に、自動車・牛肉・保険分野での「信頼醸成措置」をとるという成果を見せなければならない』『韓米FTAを見習うべき』と公式の取材で発言。

 さらに国際NGOチームは、TPP交渉会合での米国の交渉官が他国の交渉官に述べた内容を入手した。米国交渉官は『日本は交渉テキストを見ることもできないし、いかなる修正もできない。日本はカナダとメキシコが強いられた、非礼で不公正な条件と同内容を合意している』と。この発言に私は非常に憤りを覚える。

 さらに米国の交渉官は、日本の交渉参加が表明された後、参加各国は7月までに日本との二国間協議を完了させるように、との指示も行った。つまり、日本は7月までの会合には参加できず、9月の交渉会合までテーブルにつけない。9月の交渉は米国が議長国のため、『異議や再交渉の要求があっても押さえつけることが可能』と交渉官は発言。

 10月にはAPECにてTPP交渉国首脳が『交渉完了』のサインをする。交渉プロセスをほとんど知らされないまま、最後の1回の交渉(しかも米国が議長国)に参加して、一体何を主張できるのか」 (佐々木隼也)

以上です。

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