起たんかねおまんた
我が友人の玄間太郎さんの三冊目の小説「起たんかねおまんた」(本の泉社)を読み終わった。
(「おまんた」はあなたたちの意味です)
江戸中期の新潟の柿崎一揆を取り上げた最初の小説だ。
資料の存在しない中よくこれだけ調べたものだと思う。
42年間の記者生活で培われたジャーナリスト精神がこの意義ある小説を書かせたのだろう。
史実は殆ど事実のようだ。
しかし登場人物にはかなり創作があるそうだ。
佐倉惣五郎の話などを全国に広めて回っている僧侶の玄念坊などが居たのだと思ったがそれは全くの創作で
何と玄念坊の玄は玄間の玄だという。
発売前からあまり舞台裏をバラしてはまずいだろう。
この本は明日18日発売で赤旗にも明日広告が出るそうです。
短歌で中身の一部を紹介します。
「起たんかねおまんた」 大津留公彦
ほの暗き境内に兵左衞門の顔浮かび
「起たんかねおまんた」
発せられたり
矢のように雲が飛ぶ夜
一揆起こる
鎮守の杜の大銀杏から
米作は八八回の手数あり
飢饉に庄屋の
年貢は変わらず
お救い小屋兵左衞門らが設けたり
米、稗、粟を
出しあい粥に
なよ七は
汗飛び散らせ太鼓打つ
米山甚句を浪々と吟じ
小指切りし起請文は灰にされ
黒川神社の水と回し飲む
傘連判状に兵太の名前は含まれず
先祖代々の田畑守れと
柿崎の一揆は続く
為政者の苛斂誅求
天明も平成も
執筆の動機は東日本大震災
「起たんかねおまんた」
昂ぶりて閉ず
赤旗日曜版の文化欄で感心する記事があると大体「玄間太郎」と署名があったのを思い出す。
その文章をまた読みたいものだ。
赤旗日曜版さんが本にして貰えるとありがたい。
この本をTPP反対運動と原発反対運動に取り組む現代の兵左衛門たちに推薦します。
以上
玄間さんの過去の著書
弊記事 玄間太郎さんの青春の街を読んだ
以上です。
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