ある32歳の「都知事選、自分なりの総括」
武井 ますみさんがある人から頂いたメールをfacebook上にアップしていましたが、ご了解を得てここに紹介します。
若い日の意見として貴重だと思います。
今回の宇都宮選挙はいろいろと画期的だと思いますがこういう意見も少なからずあったと思います。
若者主導の選対であった事は間違いないでしょう。
宇都宮さん始めシニア世代はヤング世代について行ったという感じです。
こういう人が今後活躍することになるでしょう。
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私の子どもと同世代の友達からメールでおくられてきたものです。
【今回の都知事選、自分なりの総括】
脱原発を第1に考えていた自分にとって、今回の都知事選は誰を支持するか非常に悩んだ選挙であった。宇都宮さんが立候補を表明した時点で、前回から応援していたこともあり、今度こそこの人を都知事に!と思った。ところが、細川小泉の元首相連合が「脱原発」を掲げ公示直前に立候補を決めた。一見非常に魅力的に映った。なんてたって元首相。知名度が圧倒的だ。「勝つ」ことに徹するなら、今回はこっちかと正直思いは揺れた。私の友人たちが所属する組織も真っ二つに割れている、なんていう話も耳にした。ネット上でも、思いは同じはずの仲間が罵り合う事態となった。
現在、この都知事選を総括するにあたり、自分なりに宇都宮さんを支持したことが正しかったのかよく考えてみた。「勝つ」ための一本化をとことん追求し、またその運動をすべきだったのか。私は、やはりそれは違うという結論に至った。あらかじめ断わっておくが私は共産党員でもないし、共産党支持者でもない。もし、今回宇都宮さんが立候補せず、共産党が独自候補を立てたら、間違いなく細川さんに1票投じただろう。
私は、宇都宮さんだから支持した。それは経歴や実績を見て、巨大な国家権力に立ち向かう資質があるのは、彼しかいないと思ったからだ。細川小泉両者に共通しているのは、かつて国家官僚の用意したレールに乗り、彼らの手の上で聞こえのいい政策を奮ったこと。そして最後は、その政策の結果を待つまでもなく、また責任を取ることもなく首相の座を降り政界をも引退した。
選挙期間中、細川小泉両氏の演説を聞いた。非常に熱がこもっていて彼らの「脱原発」にかける思いは本気だと感じた。過去の自分への反省もあった。そこに異論はない。ただ、結果細川さんが当選したとしても、結局は権力の側に巻き込まれ、いつのまにかトーンを弱めるという、いつものパターン(橋下のように)になってしまうと思った。細川小泉両氏の思いは本物、だけど、したたかに権力と向き合い、国家権力の望む方向性と逆の政策を押し通せるのは宇都宮さんだけだという結論に達した。宇都宮選対事務局長のKさんは私の友人。過去、巨大な権力に打ちのめされ、そこから這いあがった経歴を持つ。宇都宮さんはサラ金被害者の救済に努め、暴力団に、「怖いのは国家権力と宇都宮」、と言わしめた存在。日の目をみないところで、泥臭く活動してきた雑草コンビだ。首相を引退し、悠々自適な生活を送ってきたコンビと、どちらが地に足がついているかは比べることもなく明らかだった。
都知事戦後、ニュースなどで、舛添選対が「細川小泉連合が立候補したときは非常に焦った」というようなコメントをしていたが、本当は「これでイケル」と感じたのではないだろうか。少なくとも自民党選対は過去、小泉をかついだ経験がある。だから逆の発想に立てば、どう宇都宮票を吸い取らせて、舛添を勝たせるかも熟知していたはずだ。なんてたって財力がある。金の力で大手マスコミや広告代理店を利用するのはお家芸だ。
今回、宇都宮選対には妹もボランティアで入った。信頼する大学教授やジャーナリストも、選対に顔を出し、共産党が仕切っているなんて全くのデマで、若いボランティアが多くとても自由な雰囲気だ、口を揃えて言っていた。
私自信、共産党系の組合の人に、意見が合わないからといって、嫌がらせを受けたことがある。就職して間もなかった当時、それが理由で辞めようかとまで思った。また現場の声を吸い上げ、労使交渉を経て、必死の思いで勝ち取った権利を、あたかも自分が取ったかのように「宣伝」されたこともある。だから、個人的には本当に連帯しにくい組織だなと感じている。
でも、今回は連帯を選んだ。宇都宮さんは無所属だし、選対も市民ボランティアで支えられていた。きっと細川支持にまわった同志たちに有形無形のバッシングをした連中は、誤解を恐れずに言うならば、実際に何も活動していない、したとしても共産党の支持でしか動けない、思考を停止させた輩だと思う。私は共産党支持の人でも、良心的で人柄のよい人も大勢知っている。でも、その逆の人たちもまた大勢いる組織なのも実感として知っている。
もう1点。今回の選挙では多くのアーティストたちが宇都宮さんの応援に駆け付けた。私が青春時代に追っかけたバンドマンやDJたちもイベントに参加していた。私もレコード収集に勤しむDJのはしくれ、芸術家は感性で本質を見抜き、作品に感情を込める能力があることを付け加えたい。ジョンレノン、ボブマーリー、ホフディラン然り。私の大好きなアーティストはみな簡単にはブレなかった。長々と文章を書いたが、私も感情で動くタイプである。地道な運動や活動から得た経験と、打ちのめされたことから学んだ理論を両輪に、最後は自分の感性を信じ、地道に歩んでいきたい。 — 宇都宮 けんじさんと一緒です。
以上です。
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