新日本歌人2014年5月号を読んで
新日本歌人2014年5月号を読んでの感想文です。
10首を選ぶのだがほぼ300人の平均五首の歌の中から選び出すのはかなりの物理力を要する。
過去に選んだ人と重なっている人もいる。
過去の1−4月の分は別途アップします。
作品10首選
1。ラジオ放送の失語症と短歌」の私の話eネットにも乗り世界を巡る
東京 滝沢教子 p3
2。香り立つ赤き莟の沈丁花恥じらう如く一輪咲けり
静岡 田代元一 p4
3。歌に詠めば切に会いたし「ひでちゃん」と九十歳の伯母呼んでみる
千葉 長田裕子 p8
4。深々とわが目みつめし君の瞳の悲しみの色忘るることなし
兵庫 安武ひろ子 p28
5。俵万智の歌の言葉がしんしんとわれの耳骨に雪降るごとく
山沢 猛 p28
6。幸せはピアノを子宮で聴くことや曲の終わりフェルマータまで
福岡 田村 柚 p34
7。長男の額と髪を撫でながら「親不孝もの」と妻がつぶやく
東京 石山 隆 p35 特選
8。自由とは斯くも空しきものなるか我を縛りし人のいなくて
大阪 喜多タケ子 p36
9。口語律よ
未来に響け!
ひたすら掲げた「灯」
君に贈る
山茱萸の花
岐阜 伊東幸江 p37
10。戦争ってさびしいよねえと子が言えり愛が壊れてしまうのだからと
千葉 伊藤 青 p41
読者歌壇
核廃絶いま誓う時三月はフクシマ三年ビキニ六十年
高知 叶岡淑子 p100
その他印象的な短歌評論
短歌による「自民党改憲案」批判 奈良達雄
かなり大作だが短歌でこれだけ全面的な「自民党改憲案」批判という政治批判が出来る事に感心した。
歌よみの良識ということ 小石雅夫
佐佐木幸綱と永田和宏の「赤旗」誌上発言を好意的に紹介している。
同時に永田和宏の現代短歌4月の「平和呆け」という歌に付いては「戦前派の主導する歴史認識という箍がはまった”短歌認識”しかみられない」と小気味好く批判もしている。
以上
以上です。
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俳句は新俳句人連盟
短歌は新日本歌人
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宇都宮健児・井戸川克隆 未来を語る
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