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2017年8月24日 (木)

「定本種田山頭火句集」(彌生書房)を読んだ

「定本種田山頭火句集」(彌生書房)を読んだ
山頭火の八千句から選ばれた句集である。
自由律俳句の中では萩原井泉水、尾崎放哉と並ぶ代表的な俳人です。
印象深い句、有名な句がたくさんある。
それぞれの句が作られた背景にも興味がある。句集以外も読んでみたいと思います。
ここでは戦争に関する句を抜き出してみました。
山頭火の戦争に感する思いが感じ取れると思います。
では抜き書きします。

銃後

天われを殺さずして
詩を作らしむ
われ生きて
詩を作らしむ
われみずからの
まことなる詩を

街頭所見

目ざかりの千人針の一針づつ
月のあかるさはどこを爆撃してゐることか
秋もいよいよふかうなる日の丸へんぽん
ふたたびは踏むまい土を踏みしめて征く
しぐれて雲のちぎれゆく支那をおもふ

戦死者の家

ひっそりとして八ツ手花咲く

遺骨を迎ふ

しぐれつつしずかにも六百五十柱
もくもくとしてしぐるる白い函をまへに
山裾あたたかなここにうづめます
凩の日の丸二つ二人も出している
冬ぼたんほっと勇ましいたよりがあった
雪へ雪降る戦ひはこれからだといふ
勝たねばならない大地いっせいに芽吹かうとする

遺骨を迎へて

いさましくもかなしい白い函
街はおまつりお骨となって帰られたか

遺骨おだいて帰郷する父親

ぼろぼろいたたる汗がましろな函に
お骨声なく水のうへをゆく
その一片はふるさとの土となる秋
みんな出て征く山の青さのいよいよ青く
馬も召されておじいさんおばあさん

ほまれの家

音は並んで日の丸はたたく

歓送

これが最後の日本の御飯を食べてゐる、汗
じっと瞳がひとみに喰ひいる瞳
案山子もがっちり日の丸ふってゐる

戦傷兵士

足は手は支那に残してふたたび日本に

以上です。

以上です。

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