新日本歌人2018年6月号10首選
新日本歌人2018年6月号10首選 大津留公彦
p7 ディスプレイに施設の名前浮かびくる受話器持ち上ぐわが手は震えつ
京都 芦田幸惠
★ナンバーディスプレイという現代的便利さがこういう歌を生みました。
p9 まぶしみて空に大きく♪を書くハミングすれば鬱の消えゆく
埼玉 伊藤敬子
★♪という記号を使った歌に初めて出会った。音符と読むのでしょうか。
p10 昭和恐慌の惨憺に生きし父よ母よ子は永らえて九十となる
千葉 碓田のぼる
★卒寿を迎えられて碓田先生は自分史短歌を作られているか。
p26 「道しるべ兜太でありぬ山眠る」悼句記して記事をまた読む
愛知 小田明
★存じませんが俳句もやられる方でしょう。悼句を入れ込んだ挽歌ですね。
p36 オオカミも腹出す子らも山遊ぶ妻待つ秩父へ兜太は還る
特選 埼玉 谷口澄江
★金子兜太さんの周辺に詳しい作者らしい挽歌です。「還る」がいいですね。
p45 廃業の町工場の窓ガラス割れ目に注ぐ春の陽光
神奈川 田之口久司
★上手いなと思いました。主観語が全くなく、春の陽光に喋らせてます。
p54
雑草を引く
しっかり張った その根
生きているものの
それぞれの型
京都 井口牧羊
★自由律短歌(行分けという形態の)ではこの客観写生も上手いと思いました。
p64 千両の赤き実冴ゆる如月はわが九十五歳の誕生の月
三重 長尾蔦江
★私の選歌の記憶の中では最高齢に近い。高齢を嘆かずこういう歌を作りたい。
p65 何か違うどこかちがうと思いつつ歌誌の歌人のうたを読みたり
大阪 中山惟行
★短歌雑誌の有名歌人の歌の社会性の無さを嘆いているか。
p71 褪せず剥げず八百余日睨む兜太の「アベ政治を許さない」門に踏ん張り
福岡 松尾千代
★これは闘いの歌であり金子兜太さんへの挽歌でもあるでしょう。 以上です。
以上です。
愛知・三郷・東京・関西啄木祭
http://www.shinnihonkajin.com/gyoji/2018年%E3%80%80啄木祭/
短歌は新日本歌人
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