洲史詩集「小鳥の羽ばたき」を読んだ
洲史詩集「小鳥の羽ばたき」を読んだ
文団連の幹事仲間の洲史(しま・ふみひと)さんの詩集「小鳥の羽ばたき」を読んだ。
歌集・句集はよく読むが詩集はあまり読まないので新鮮だった。
I、「事務室の窓から」の八編は学校事務員としての日常を綴った働く者の哀歓であり、教育現場のルポでもある。
私はこれを読んで同じ新潟出身で学校用務員として四十四年勤め「九条おじさん」として有名になった歌友の蓑輪喜作さんを思い出した。小金井公園で集めた憲法九条守れの署名は5万筆以上にもなったという。
Ⅱ、「鮟鱇の存在」八編は、高校時代に国語で習ったという村野四郎の詩「惨憺たる鮟鱇」をはじめ故郷・新潟の思い出が書かれている。
中に「思い出」というこんな詩があった。
折りたての綿雪を口に入れたら
ふいに甦ってきた口づけの温かさ
甘酸っぱい青春の思い出の回顧だが、五音と七音で構成されこれは短歌とも言えよう。
全体で36音だが、わが新日本歌人の行分け(自由律)欄にはもっと長いものもある。
Ⅲ、「言葉」の六編は言葉にまつわる思い出と学生時代から現代に繋がる思い出が書かれている。
「君とともにー俊彦さんへ」や「松田さん」は学生運動を共にした仲間についての詩であり共感した。
略歴を見ていたら洲さんと私は同じ学年であることに気づいた。
同じような時代に同じような経験をしてきたことが分かる。
私は思い起こせば私は民主文学の第19期文学学校の卒業生であり、学生時代に書いたこの二つのような長い詩をその卒業作品として掌編小説にしたことがある。
この小説をブログにアップするか電子出版しようかと思いついたし、私も詩を書いてみようかと思わせる詩集であった。
2018年8月20日 大津留公彦
短歌は新日本歌人
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