「大地の歌ごえ」に期待
赤旗日刊紙の連載小説を始めて読んでいる。
たなかもとじさんの「大地の歌ごえ」です。
まだひと月経っていないですが楽しみに読んでいます。切り抜きもしています。
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東日本大震災と福島原発事故の被害に遭った家族の物語です。
人間模様の機微が描かれています。
電力会社を訴える争議団に加わった父真一と、その妻早苗と電力会社に勤める夫洋平と震災でその娘夏海を亡くした娘里美の三回忌の法要での葛藤が印象的でした。
真一は震災の日に夏海を迎えに行くことになっていたが会議が延びて迎えが遅れたので夏海の死は自分のせいだと言う。
夏海は津波が来る前に幼稚園の先生と一緒に高台に避難出来ていたが、カバンを忘れたと一人で抜け出して幼稚園に戻り、津波に遭った。
夏海がカバンを取りに帰ったのは自分が刺繍したハンカチが入っていたから、夏海を殺したのは自分だと早苗は言う。
洋平はお義父さんに迎えに行って欲しいと頼んだのは自分だから夏海の死に責任を持つのは父親である自分だという。・・・
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文学の深みというものを感じました。同じ文学に関わるものとして参考になりました。
東日本大震災と福島原発事故ではこういう家族の物語がたくさんあるのだろうと改めて思いました。
戦争は戦争文学といわれるような文学のジャンルを産み出しましたが、震災と原発事故は新たな文学ジャンルを産み出していることでしょう。
たなかもとじさんの「大地の歌ごえ」の今後に期待し、読み続けます。
完結後に再度感想を書く予定です。
2018年9月26日 大津留公彦
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