新日本歌人2018年11月号10首選
恒例の10首選です。
新日本歌人2018年11月号10首選 大津留公彦
p3 北海道百五十年を祝うとうアイヌモシリのアイヌは怒る
北海道 小松博子
★ この歌にアイヌにとってこの百五十年は忍従の歴史だという事に気付かされた。
p6 三月の風強き田にすてられし生れて五日め吾をすてし母
高知 佐野暎子
•悲しい自分史をお持ちですがこれは残すべき日本史の一部でもあるでしょう。
p10 キャンプ岐阜海兵隊がいて沖縄に移駐せしこと今は知られぬ
岐阜 竹中トキ子
★これも知らなかった事を教えてくれた。短歌の歴史証言性を感じます。
p26 被爆者を真っすぐ見つめ若き母は幼子抱き署名に応ず
宮城 堤智子
★一人の被爆者の歴史がこの若い一人の母親に伝わった。幼子にも伝わるだろう。
p27 「生産性」なき児と浅瀬に興ずれば夏のびわ湖は彼方まで凪
滋賀 中川恵美子
★「子を産まないLGBTは生産性がない」という言葉の「生産性」は今年の流行語になるか。
特選 p29 階下より二階の妻に大声で翁長さんが死んだ!!と叫んで泣いた
大阪 中山惟行
★歴史的な歌です。「選のあとに」で城間さんも大泣きに泣いて翌日目が赤くなったという。
p30 狭苦しい陸地で何をごちゃごちゃと大きな海に笑われますぞ
大阪 乃木倫子
•身辺詠にも政治詠にも取れます。普遍性がある歌は残ります。表現に若さを感じます。
p38 「北鮮」も「北朝鮮」も使わない短歌を詠まん墨黒々と
神奈川 梅田悦子
★墨黒々が啄木を意識している。「北鮮」だけでなく「北朝鮮」も差別語という事か?
p59 経営学―
奇想とも思える子の主張も
論争をねばり
IT時代の若さを悟る。
神奈川 上原章三
息子さんの経営学のレポートを手伝ったという。きっと新しい刺激を受けた事でしょう。
p66 花火なら見飽きてるぜと溶接工今日は娘を担いて見上げる
茨城 岡崎隆史
★確かにそうでしょうね。働く若者の日常が見事に切り取られてます。いい社会詠ですね。
以上です。
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2017年の大津留公彦の俳句
白木槿
「歌碑のある風景」を紹介します。
私も三郷市の万葉歌碑を紹介しています。
短歌は新日本歌人
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