「スノーデン監視大国日本を語る」を読んだ
「スノーデン監視大国日本を語る」を読んだ
この本は個人のプライバシーと情報セキュリティを語るに必須の本でしょう。
この本はタイトルにあるエドワード・スノーデンへのNHKの国谷裕子さんのインタビューを最初に掲載している。
そしてプライバシー権に関する国連特別報告者のジョセフ・ケナタッチさんとアメリカ自由人権協会(ACLU)のスティーブン・シャピロさんと日本自由人権協会(JCLU)の出口かおりさんの講演と4名の方によるパネルディスカッションからなっている。
2017年のインタビューと講演だがこの本は2018年の8月に発行されている。
少し紹介します。
最初にスノーデンのインタビューでの発言からです。
インターネット上のプライバシーに言及する前に第二次大戦時のアメリカでの日本人の強制収用に触れて今アメリカがやっていることはその日本人はスパイかも知れないから全員拘束すると同じ論理で全てのプライバシーを補足しているという。
彼は市民の対処の仕方として二つ上げている。
一つはACLU やJCLUなどのNGOを支援すること。
もう一つは情報通信の安全性を高めることだそうです。
二つ目はまだ途上で今彼はその為に働いているそうです。
次にシャピロさんの話からです。
ACLUがNSAを相手取って提訴した裁判でアメリカの裁判所は無差別な電話のメタデータの収集は愛国者法215条によって政府に付与された権限を越えているとした由。
(何せ一人の電話番号からファースト・ホップで100人の電話が分かりセカンド・ホップでは100の発着信があれば1万の電話が得られ、サード・ホップでは100万の電話が得られるのですから厖大な量のプライバシーを侵害しています。)
次に出口かおりさんの話からです。
彼女が関わった事件でマルチツールというキャンプ用ナイフを持ち歩いていた男性が連行され、「マルチツールは犯罪を構成するものだから没収します」といわれた由。警察はこれをカバンに入れて持ち歩いていることは隠して携帯したことになるという。
(刃を見せていれば軽犯罪にならない?)問題は指十本の指紋を取られ、顔写真を撮影されその情報が警察のデータベースに乗ったことです。
そのデータの抹消を求める手続きもないとのこと。そして抹消請求は認められなかった由。
(10年位前に我が家に泥棒が入ったときに指紋調査をするからと家族全員の指紋を取られたがそれはデータベースに乗っているのだろうか?その時の被害はガラスとパン一個だったのだが。)
パネルディスッションも興味深いのですが略します。
個人のプライバシーと情報セキュリティに興味のある人にこの本を勧めます。
2018年11月6日 大津留公彦
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2017年の大津留公彦の俳句
白木槿
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私も三郷市の万葉歌碑を紹介しています。
短歌は新日本歌人
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