鶴見俊輔の「文章心得帖」を読んだ
鶴見俊輔の「文章心得帖」を読んだ
かみさんのおすすめ本なので読んだ。
どうも私の文章の拙さをご心配してのお勧めのようだ。
加藤典洋さんの解説によると京大風俗研究会というグループで生徒を募り美容院の一室で三回にわたり行われた授業の記録をもとに作られているという。生徒と先生の気持ちの重なりが感じられるのはそのせいだと言う。
私がチェックしたところを少し紹介しよう。
「ヨーロッパ語の場合だと、動詞と名詞を主に使い、動詞の受身の形を使わない、ということが文章を書くときの最も初歩的なやり方です。」
「なるべく不必要な複雑さを避ける文章にしたほうがいい。受身はなるべく避けて、どうしても受身形にしなければならないときにだけ使うようにする。」
「させて頂きます」という形が昨今やたら多く使われているが、これはどうなのだろうか。
又、政治家の言葉に何と受身の表現が多いことかと思い至った。
中に「書評」の書き方という項目があった。
「其の書の特質を標出すること」という内藤湖南の言葉を引いている。
そして「それが最低限のことなんです。それができなければ書評としてアウトです。それをとらえたうえでの、ほめるか、けなすかがそのあとにくる。」と言う。
高野長英は諸国を逃げ回っていたが宇和島の伊達館のオランダ語や英語の本の中にビラを貼ったという。この本は読むに耐えないとか書いているそうだ。
殿様が長崎から買ってきた洋書を藩内に読めるものがおらず高野が1-2ヶ月でやった書評の及び文献解題の仕事だと言う。
書評の真髄はその短冊の数行にあるという。
私は本を読んだ時に感想を書くようにしている。
これも書評・感想の一つだが鶴見さんのいう「アウト」かもしれない。
2019年2月21日 大津留公彦
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(私も書いています)
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2017年の大津留公彦の俳句
白木槿
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