佐藤光良さんの「吠えろ」を読んだ
佐藤光良さんの「吠えろ」を読んだ
佐藤光良さんの本としては「父のこけし」に次いで二冊目です。
7ページの掌編小説で季論21の2019夏号に掲載されたものです。
奥様の佐藤幸子さんから写しを頂いて読んだものです。
この小説は鶴岡征雄さんが佐藤光良さんを東葛病院に亡くなる三日前に見舞ったときの筆談メモと共に資料箱の底に眠っていたものです。
遺作集「佐藤光良の小説」に収録しなかったことを悔やみ今年季論21に掲載したものです。
主人公「私」と妻「佐貴子」が友人の梅田さんと幼子の「知子」さんを助け、奥さん「裕子」さんを見舞う姿が献身的で感動的です。
植物人間になりかかった「裕子」さんが喋れるようになり犬のシロも喜んで吠えているという場面で終わる。
掌編小説らしいコンパクトな展開であり、好短編です。
鶴岡征雄さんの解説の表題は「23年前、55歳で没した短編の名手・佐藤光良」となっている。「短編の名手」と言われるのが理解できる。
最後に鶴岡さんの文章を紹介して終わります。
『本誌掲載の掌編小説「吠えろ」は、単行本未収録作品。初出は東葛病院在宅患者向け通信「往診つうしん」(93年)私の資料箱の底にその生原稿が眠っていた。再読後、なぜ、遺作集にこれを収めなかったと悔やんだ。掌編ながら、作者の本質がよくあらわれている好編です。「吠えろ」を広く、多くの読者にという願いを込めて本誌に再掲をお願いした次第です。』
以上です。
2019/09/20 大津留公彦
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