闘う!ウイルス・バスターズ-最先端医学からの挑戦―を読みました。
闘う!ウイルス・バスターズ-最先端医学からの挑戦―を読みました。
十年前に「ウイルスに関わる人々」を紹介しようと書かれた本だがコロナウイルスと格闘している今こそ読まれるべき本だと思います。
まさにこの本は「ウイルスに関わる人々」のことが良く分かる。
ロベルト・コッホという世界的権威のある賞を受けた河岡義裕さんと渡辺登喜子という気鋭の女性研究者が内容を分担して書き継いでいる。
内容はなぞりませんがいくつか印象に残った点をメモします。
渡辺登喜子さんのいう研究を続けるための重要な三点
- 好奇心を持ち、素朴な疑問を大切にしよう。
- 疑問に思ったことを実際に実験で試してみよう
- パートナーの理解を得ること
対談の中で
農林水産省動物医薬品検査所長堺政人さんが宮崎の口蹄疫の豚の殺処分を要求する山田正彦農林水産大臣とそれに反対する東国原英夫宮崎県知事の対立の中で山田正彦農林水産大臣を支持してエース級の牛6頭を避難させて残りは全て殺処分したこと。
世界初のエイズ治療薬AZHを開発した満屋裕明さん(熊本大学教授)がある人に「満屋がAZHなどを見つけたのは単なるまぐれだ」と言われたのに対して「確かにまぐれかもしれません。でもまぐれが起きた時、それを形のあるものにする準備があって初めて、まぐれが良い結果をもたらすのです。」と言っている。またこうも言っている。
「今の日本の研究費の出し方はおかしいと思う。トップランナーとなる、あるいは応用の『種』となる研究は、何も研究費を5億円、10億円とたくさん出したから生まれるものではありません。今の日本は大きな少数のプロジェクトに大型予算を出す傾向にあるけれど、科学の歴史を見れば、大型予算が付いたようなところからは、画期的な発見はほとんど生まれていません。サイエンスの発展は、しばしば辺境領域から起きています。」
メインの内容にはほとんど触れていません。本書をお読み下さい。
2020/04/17 大津留公彦
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