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2020年12月24日 (木)

「スマホ料金はなぜ高いのか」

スマホ料金はなぜ高いのか」(山田明著・新潮新書・20707月発行)を読んだ

友人から借りてこの本を読んだ。

政府の行うスマホ料金値下げキャンペーンの背景を知ろうと思って読み始めたが、自分が通信業界にいた事を思い出し一気に興味深く読んだ。

この本の一番言いたいことは第八章「旧態依然の電波行政」に書いている、電波行政の開放によって今からでも5G時代の盟主になれるということだろう。

そこの部分を要約して箇条書きで紹介します。

 

・総務省の電波行政が自民党のメディア支配の源泉になっている。

・民主党政権は電波法を改正して周波数オークションを導入しようとしたが安倍政権が元に戻した。

・米国でも欧州でも中国でも通信政策の中心は「電波を開放する」ことにある。

・日本で5G用に携帯電話会社に割り当てられた3.7GHz帯や4.5GHz帯の高周波帯は半径100mしかカバーできないのでプラチナバンド(700MHz帯)の電波に比べて比較にならないほど膨大な基地局が必要。

・米国ではプラチナバンドや高周波帯を含む多くの電波を投入する準備を進めている。

・固定電話時代から惰性で手を加えることもなく継続している日本の電波政策は、根底から見直す時期に来ている。

・放送業界の電波浪費問題がきっかけとなってプラチナバンドが一気に市場に放出され、電波ビジネスの環境ががらりとかわれば業界の新陳代謝も進むだろう。

・日本も早く米国や欧州の電波行政のスタイルに移行すべきだ。

・行政は電波の干渉防止など技術問題に特化し、それ以外の規制から速やかに撤退して電波を政治の世界から解放することが重要なのである。

・これまでの電波行政は、国民の利益や国の成長よりも総務省の利権拡大や携帯電話会社の利益を優先してきた。これが携帯料金高止まりの一因であることは疑いが無い。

・より深刻な問題は放送業界への天下りと裁量行政であり、放送局がろくに使わず浪費しているプラチナバンドの問題だ。これにメスを入れない限り、携帯料金高止まり解消は困難であるばかりか、5G時代の日本の成長は絶望的と言っても過言ではないだろう。

・放送局に割り当てられているUHF帯ホワイトスペースには未使用帯域が30チャンネル以上ある。いわば放送局に割り当てられた広大な土地にポツンポツンと小さな放送用建物が建っており、大部分の土地を有効活用出来ず空き地のまま遊ばせている状態。この虫食い状態に建てられた放送用設備を一箇所に集約しその結果生まれる広大な土地を携帯電話事業に用途転換したらどうか。そうすれば携帯料金は半額になってもおかしくない。

他の八章についても興味深い物があったがここまでとします。

元文科次官の前川喜平さんへの揶揄が少し気になったが、それ以外は賛同できる本でした。

20201126日 大津留公彦

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