「新聞記者」(望月衣朔子著・角川新書・2010年10月発行)を読んだ
「新聞記者」(望月衣朔子著・角川新書・2010年10月発行)を読んだ
―ジグソーパズルのようにー
妻から回って来たこの本を読んだ。
第43回日本アカデミー賞3部門を受賞した映画の原作だ。
映画の方はまだ見ていないが、ドキュメント作品の「i-新聞記者ドキュメント」は最近netflixで観た。
望月衣朔子さんの講演会も聞いた事があり、youtubeで見たり、facebookグループ「東京新聞望月衣朔子記者と歩む会」に毎日短歌を投稿していることもあり、親近感がある。
この本で彼女の生い立ちや母親に芝居に連れて行って貰い女優になりたかったことや、学生時代にオーストラリアに留学し死にかかったことや、吉田ルイ子にあこがれ全世界を駆け回るジャーナリストになりたいと思い、結局東京新聞の記者になった事を知りました。
入社後は千葉、神奈川、埼玉で警察関係の取材で鍛えられ、権力に阿らない社会部の記者となった。
演劇に連れて行って、吉田ルイ子さんの南アのアパルトヘイトの写真集を渡した母と、内勤を命じられ讀賣新聞に移籍の相談をしたときに「讀賣だけはやめておけ」と言った父の影響が非常に大きいと感じた。
ついでに言うと官房長官に質問する時等の彼女の大声は演劇仕込みなのだと知った。
あとがきの著者の最後の言葉を自分への戒めともするために引用して終わります。
――
大切にしている言葉がある。インドの独立の父と言われるマハトマ・ガンジーの言葉だ。
《あなたがすることのほとんどは無意味であるが、それでもしなくてはならない。そうしたことをするのは、世界を変えるためではなく、世界によって自分が変えられないように
するためである》
簡単には変えられないけれど、私自身が環境や周りに流され変わらないためにも。
自分自身が正義と信じられるものを見失わないためにも。たとえ最後の一人になろうとも。
これからも記事や講演などを通じて、多くの方に政治や社会の問題点を伝えていく。未来を担うこどもたちのためにも、今の自分にできることを一つ一つ積み重ねたいと思う。
――
2021年2月3日 立春 大津留公彦
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