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2021年4月17日 (土)

「栃尾郷の虹」を読んだー歴史を深く下降せよ

 

三郷の友人である玄間太郎さんの9冊目の小説「栃尾郷の虹」を読んだ。

著者の越後時代歴史小説4作目です。

先行3作は「起たんかね、おまんた」「黄金と十字架」「角兵衛獅子の唄」です。

本作は栃尾村に栃尾縞紬(とちおしまつむぎ)を完成し度重なる飢饉から村人を守ったオヨと生後すぐ別れ別れになった双子姉妹のサヨの織りなすドラマです。

なかなか出会わず最後に栃尾縞紬完成と共に出会う二人の運命は数奇でありドラマ性があります。著者の綿密な取材により、機織りや紬や着物の世界が緻密に描かれます。

この作品に込めた作者のメッセージはオヨの義父植村角左衛門に言わせた次の言葉です。

あとがきにこう書いています。

 

「庄屋角左衛門は、幕藩のお抱え農政学者の誰彼ではなく、一人の名もない百姓の女房が優れた開発を成し遂げたことに深い感銘を受け、心を動かされていた。世を進めるのは一握りの武士ではなく無名無数の民百姓ではないのか。底辺に生きる人々の中にこそ凄い人たちがいるのではないか。そう思わずにはいられなかった」

「歴史を深く下降せよ。無名の傑出した民百姓をこそ歴史の表舞台へ!時代歴史小説を書く私の変わらぬ立ち位置です。」

 

玄間さんの小説には必ず玄という漢字の付いた人物が出てくる。

その人物がどこに出て来るかと言うのも楽しみの一つです。

この「栃尾郷の虹」では医師玄庵として何度か出てくる。

 

場面の転換に景色が出てくるのが印象的です。こんな感じです。

・「オヨは身繕いをし、まっすぐに六之助をみつめ頭を下げた。ありがとう

蓮の花がポンと音を立て咲いたような気がした。」

・「母の生は終わりではない。母の教えは私の胸にずっと生き続ける。オヨはそう思った。

栃尾郷の山々に、美しい紅葉が始まっていた。」

・「いいか、庄屋を笠に着て驕り高ぶってはならない。百姓の言い分を真摯に受け止めねばならない。百姓が逃散することにないよう困窮者を助ける。年貢は、百姓の痛みにならないように心がける。凶作の年には飢餓に苦しむ百姓の手当てを忘れてはならない。分かるな。左兵衛」「空に暗雲が低く垂れこめ、やがて恐ろしい勢いで彼方へ走った。角左衛門は複雑な思いで眺めた。」そして最後はこう終わる。

・いつしか雨があがり、虹がかかっていた。虹は栃尾郷の山々をつなぎ合わせ、ややあって今度は二重になって村々を七色に照らした。燃える紅葉と虹の鮮やかな絢爛たる色彩がオヨたちを幻想の世界へ誘っていった。

「栃尾郷の虹」は新聞記者歴42年で培われた玄間さんの生み出した傑作小説です。以上

 

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