長野晃歌集「わが道をゆけ」を読んだ
長野晃歌集「わが道をゆけ」を一気に読んだ。長野晃さんと私には共通のキーワードがいくつかある。
新日本歌人、啄木、水野昌雄、大分、大阪、フェイスブック、五つの赤い風船、伊藤千代子
新しく教えられる歌が多かったような気がします。短歌の持つ特性の一つは伝承性、時事性だと思います。
新しい感慨と知識を与えてくれた長野晃さんに感謝します。病気もお持ちのようですが喜寿を迎えてますますご活躍下さることでしょう。
以下私の選んだ12首とコメントです。
p18幻影は「民芸」の舞台か宇野重吉と滝沢修が論じ合いおり
(こういう幻影なら見てみたいものです)
p22「わかるけどドキッとする歌作ってよ」投稿歌読む主婦に言われる
(この歌にはドキッとした。ありきたりの歌ではなく独創的な歌を作りたい。)
p27それぞれが粗末な額にはめられて父母の瞳が今朝も微笑む
(微笑む父母に私も励まされています。)
p34啄木は尊敬すべき歌人だと頌する茂吉の文を見つける
(これは知りませんでした。調べてみたいと思います。)
p38やばいすね!めっちゃ可愛い!のコメントを子のフェイスブックに見るのはやばい
(ありきたりではない歌ですね。このフェイスブックページは私も見させて頂いてます。)
p52じゃんけんを三回やってきめたという畑田氏の性は連れ合いの性
(畑田重夫さんはジェンダー平等を70年位実践していますね。私の会社員時代にもいました。こういう人が増えて行くのでしょう。)
p65切られても切られてもなお萌え出づる八つ手のように生きてゆきたい
(八つ手の生命力をこの歌のように見習いたい。)
p70扇町公園にひしめく集会に弟夫妻の歌声響く
(弟の長野隆さんが幻の名グループ元「五つの赤い風船」のメンバーです。)
p81戦争放棄の幣原喜重郎の提案にマッカーサー書簡は感動を書く
(これも最近知りました。幣原喜重郎の名を付けたフェイスブックグループに参加中です。)
p121伊藤千代子の名を聞くたびに胸底におのずからなるうごめきを聞く
(劇映画「わが青春つきるとも-伊藤千代子の生涯」は4月公開予定です。)
p146「文化には戦争抑止の力あり」アインシュタインへフロイト答えたり
(このフロイトの言葉は私が今事務局長を務める文団連のスローガンにしたいです。)
p161マルクスのポートレートに父の記す黒きペン字の Going My Way
(この歌集のタイトルにつながるお父さんの晃さんへの遺言です。)以上です。
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