全国革新懇から送られてきた代表世話人会概要から参院選に関する部分を転載します。
全国革新懇から送られてきた代表世話人会概要から参院選に関する部分を転載します。
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2025年7月の代表世話人会概要について(ご参考) 2025年8月18日・事務室長文責
東京の代表世話人は、参院選の結果を中心に意見を述べました。
自民党への批判票が、新興政党への期待も伴って右派政党に寄せられたことは深刻な事態だ。排外主義を掲げるポピュリズム政党が、欧米に続いて日本でも本格的に登場した。欧米との類似性はあるが日本の場合はより一層極右的で、躍進は自民党安倍派を支えていた岩盤支持層が流失した結果だ。共産党とれいわの得票を合算すると、2022年参院選、2024年総選挙、2025年参院選ともに概ね600~700万票で、支持層の重なり、相互関係が伺える状況だ。
新しい政治環境のもとで要求実現の条件は高まった。排外主義や強まる改憲策動を乗り越え、ますます重要になる生活擁護の取り組み、大軍拡、大増税の中止、消費税減税の具体化など、要求実現のたたかいがいよいよ大切になる。それはまさに革新懇運動の出番を意味し、これからのたたかいのあり方は重要な論議課題だ、と問題提起しました。
日本共産党の代表世話人は参議院選挙の結果と、選挙後の取り組みについて述べました。
比例2議席は1960年代の水準、得票数、率ともに大きく後退した。ここを底に反転攻勢するための総括を、8月下旬にも機関会議を開催して深めたい。そこに向け、党内外の意見に真摯に耳を傾けたい。
自公を少数に追い込むという点では、32の一人区のうち17で候補者を一本化し、その中の12で勝利するという共闘の力を発揮した。その点で、選挙直前の立憲民主党との合意は重要だった。「市民と野党の共闘」こそ政治を変える力になることに確信を持ちたい。
一方で、自民党政治を終わらせる政治勢力、共産党の前進を訴えたが、結果は自民党政治の補完勢力と極右・排外主義の政党が票と議席を伸ばした。この結果についても冷静に分析する必要がある。参政党は改憲草案などにも明らかなように、極右・排外主義そのものだが、投票した有権者すべてが同じ立場かと言えばそうとは思っていない。街頭演説での聴衆へのインタビューでも、出口調査でも、参政党に投票した人は、消費税減税が最も強い要求だった。自民党政治への閉塞感を抱えた有権者が、補完勢力や極右・排外主義の政党への投票となったと受け止めている。
自公少数という前向きの変化と、他方での危険な勢力の台頭という参院選の結果は、自民党政治にピリオドを打つのか、それとも有権者の思いが歪められて右翼的に流されるのか、という点でも歴史的な岐路に立つことになった。自民党が野党を取り込んで延命戦略をとるしかない。自民党政治を終わらせる勢力の役割が問われている。その点は、革新懇にも問われる課題であり、要求の一致での統一戦線によって、自民党政治を終わらせる取り組みはいよいよ重要だ。
参院選では、消費税減税や政治の責任での賃上げ、農業問題など、暮らしをまもる立場で訴えた。これらは緊急課題であるとともに、富の偏在、格差と貧困の拡大という「大企業中心政治の歪み」を正す政治への転換でもある。暮らしの苦しさの根源がどこにあるのかを有権者との対話で明らかにすることを、今後より重視したい。「アメリカ言いなり」という政治の歪みも、「トランプ関税」での「合意文書なき合意」という問題が日米協議でも明白になっている。引き続く追及の中心課題だ。
極右・排外主義反対の声が、学者、文化人などに広がり、日本共産党が排外主義とたたかう姿勢を鮮明にしたことで、新たな期待や支持が寄せられている。今日、弁護士・学者、音楽関係者など有志による極右・排外主義反対のアピールが出され、賛同の街頭行動も予定されている。国民的な包囲の取り組みを広げるために努力したい。
消費税減税での何らかの一致点を野党間で作り出す努力を強めたい。国会内での合意を作り出すためにも、国会の外での市民の共同、要求闘争の強化が求められている。国民要求への対応をめぐって、それぞれの政党の立ち居振る舞いが検証されることも見据え、政治を変える道筋を追求し続けたい、と述べました。
弁護士の代表世話人は、共産党が議席を後退させたことなどへの意見を述べました。
選挙中のマスコミなどの世論調査の傾向と、参院選の結果は一致している。従来、共産党を支持していた有権者の中からも参政党に投じた人が居るようだ。核の部分はとどまったとして、減った票はどこへ行ったのか。参政党やれいわに流れたのではないか。その探求が必要だ。共産党が第1次として公表した比例候補5人の中の女性は一人であり、ジェンダー平等の観点で問題ありとの批判の声も聞いた。
「アメリカ言いなり」との主張には聞き飽きた感がある。「トランプ関税」との交渉でも繰り返し担当大臣が渡米して「交渉」が演出され、「アメリカ言いなり」とは見えない。あらゆる面で「言いなり」の状況ではあるが、それが当たり前になっていて言葉としては届かなくなってはいないか。新自由主義のもとで成長した若者には、大企業優遇といった言葉が届いていないのではないか。親子の間でも通じない言葉が、いわんや孫の世代の若者に正しい政策だからと届いているとは思えない。
正しい政策であっても、政策を伝える候補者の魅力は必要で、聞く人の心をつかむ言葉が必要だ。その点で、政党を押し出すのではなく、候補者を前面に立てた選挙戦術の検討も必要なのではないか、と問題提起しました。
学者の代表世話人は、参政党の得票状況について分析的に発言しました。
参政党の支持層は三つに分類できるのではないか。一つ目は、参政党支持の源流で、スピリチュアルとか、反ワクチンとか、陰謀論でつながっているコア層だ。二つ目は、自民党、維新から剥がれ落ちた層で、国民民主と得票を二分している。自民党安倍派の岩盤支持層の中の若い層が国民民主党に、40~50歳代の日本人ファースト層が参政党にという流れだ。ただ、排外主義への批判の高まり、主張内容のファクトチェックもあって、参政党から国民民主への押し戻しも最終盤に起きたと思える。
三つ目は、参政党ブームに巻き込まれた若い層で、これが今回の参議院選挙での最大の変化、特徴点だ。この層が、物価高やコメ価格高騰問題などで自己責任論への懐疑が生まれ、自分のせいでないとすれば誰のせいかとを考え、「自民党政治のせい」からさらに「自民党政治を支えた年寄りのせい(世代間分断)」に、進んで「ジェンダー平等を声高に主張する女性(ミソジニー)」に、そして「外国人差別、反グローバル化」にと、攻撃の対象、差別の対象を広げていった結果が参政党の得票増になった。その側面と、自己責任を押し付ける新自由主義への批判が大本にあるという前向きな変化の側面との両面が混在していることへの留意が必要だ。新自由主義の歪みに目を向けはじめた前向きの変化は、さらにアメリカ言いなりと大企業優遇という自民党政治の二つのゆがみへの共感を広げる条件を高める可能性も示している。その点は、対話の必要性を明らかにしているのではないか。若い層に、二つのゆがみへの納得を広げる条件の高まりに目を向け、参政党支持の三つの層間にくさびを打つ取り組みが必要になっている、と指摘しました。
全商連の代表世話人は、参院選で感じた変化について発言しました。
財源も示した消費税減税の主張は、物価高対策の論戦をリードする効果があったが、選挙戦に入ると他党も消費税減税を主張して埋没感を感じた。日本人ファーストという排外主義への批判にインテリ層は反応しても、の状況も感じた。身近にも、共産党支持から他党への投票に変えた動きがあり、選挙戦での変化を感じた。社会全体で政治的な活動が低調で、街角で対話をしていても時代、意識の変化を感じることもあった。
日常的な運動でも、署名の集約が進まないことなどはコロナ禍以降より顕著で、運動の転換点に来ているように思う。民青同盟の日常活動にも大いに学んで、変化に対応していきたい、と述べました。
民青同盟の代表世話人は、参院選での青年の取り組みを報告しました。
参院選にあたっては、「生活が苦しいのは外国人のせいではなく自民党政治のゆがみのため」との訴えを具体的な事実で行うよう準備をして街頭宣伝等に立つことをよびかけた。現場で論争になり、ヒートアップしないためにも必要だと考えたからだ。
この間、加盟者は昨年同時期を上回っているが、排外主義の言説の誤りを正す対話を通じて変化し、加盟した例も出ている。青年は社会的には未熟な点もあり、事実できちんと伝えると変化することも少なくない。その点では、「アメリカ言いなりではダメ」の主張が響く場合もある、と述べました。
学者の代表世話人は、沖縄での参院選の結果や憲法課題での争点について述べました。
全国革新懇として、オール沖縄の統一候補、高良さちか氏への激励、支援行動を行った。沖縄選挙区での勝利は、知事も含めたオール沖縄の力の再結集が一定諮られた結果だ。前回選挙より得票を積み増し、勝利した自治体数も増えており、各市の首長選挙でのオール沖縄の連敗を巻き返す結果となった。魅力ある候補者であったことも勝利に貢献したと思う。ただ、参政党が一定数の得票を沖縄でも獲得し、侮れない状況も生まれた。2026年は名護市長選挙、沖縄県知事選挙の年であり、オール沖縄の再生は急務の課題だ。
選挙の結果、参議院では改憲派が3分の2以上の議席を確保した。改憲派の主張は自衛隊の憲法明記が一致点であり、軽視できない状況だ。参政党の憲法構想案は、その形態も含め憲法とは言えない代物だが、創憲案として政策に位置付けているため無視はできない。内容的には、統治機構の書きぶりは大日本帝国憲法への復憲案でしかない。基本的人権を「権理」と表現していることは、明治憲法(大日本帝国憲法)制定時の論議への後戻りだ。また、明記している国民の要件でも排除の論理が明白だ。全体として、近代立憲主義的な内容の憲法案とは到底言えない、と批判しました。
新日本婦人の会の代表世話人は、参院選の取り組みについて報告しました。
参院選を通じて、①対話を重視した取り組み、②若い世代の活動参加の2点を重視し、毎週のズームミーティングで、学びながらの活動を推進した。動画配信を見て参政党に共鳴する動きがみられたことから、談話や新聞を通じたファクトチェックなども強めた。例えば、一人10万円給付の公約の一方で社会保障給付の削減を掲げていることや、女性の社会参加や男女平等論は誤りだという主張を紹介するなどし、主張が通れば女性運動を中心に勝ち取ってきた成果、到達点が引き下げられるという危機感も伝えた。
これらの取り組みもあって、「高齢女性は子供を産めない」との侮辱、差別発言への抗議・要求の一斉街宣の呼びかけには、47都道府県217カ所で応える取り組みができた。行動はSNSでも拡散し、組織外の参加もあり新しいつながりも生まれ、要求の一致点での取り組みをつなぐ関係も生まれた。
選挙の結果、選択的夫婦別姓に反対する議員が増えたこと、選挙を通じて消費税減税を主張する議員、政党が多かったことなどもあり、議員一人一人への働き掛けを強め、要求に対する対応を伝える取り組みを強めていきたい。男性と女性の課題選択の違い、要求と選択する政党との関係などで、女性団体の立場からの検証、探求を深めたい、と述べました。
学者の代表世話人は、参院選後の取り組みについて述べました。
選挙後の情勢論議の学習会に参加し、①自民党の過半数割れの評価以上に参政党躍進への不安が強いこと、②共産党後退への不安も強いこと、の2点の共通点を受けとめた。
参政党への投票は、排外主義に賛同したということではなく、暮らし改善要求での期待が寄せられた結果だ。短期間の伸長であり、固定的な支持ではないとも思える。したがって、「歴史を知らない」などという目線の批判ではなく、対話を強めて変化を作り出す努力が求められるのではないか。
共産党の後退への不安は、比例得票数200万票台という初めての数字への不安だ。SNS戦略のコンテンツや、高齢化のもとでの拡散力量の問題などもあり、対応方策については参加型の論議組織が必要だ、と述べました。
神奈川の代表世話人は参院選結果と横浜市長選挙について述べました。
神奈川選挙区でも、自民党が得票を大幅に減らし、公明党が落選して参政党が当選するという結果だった。共産党候補は、最初の選挙に比べて20万票らした。大変残念な結果だが、れいわとの競合が影響していると思える。今後は、れいわも含めた「市民と野党の共闘」の再構築が課題の一つではないか。
学者の代表世話人は、選挙結果についての意見等を述べました。
反差別などのリベラル思想を他者に押し付け、反対者を排除するというようなリベラル・ファシズムという考え方がある。リベラルとファシズムの親和性、多様性や国家感の近似性なども指摘されている。欧米を中心に言われる言説で、例えば環境主義の全体性と主張のリベラル性が指摘される。その考えからすれば、選挙で共産党か参政党かの選択を迷うということも不可解とは言えない。
日本でも、経済を支えてきた中間層が下層化して、大衆が分衆化し、さらに少衆化してきている。中間層の細分化状態の進行で、一つの組織、一つの言葉で全体が動かない状態となっており、したがって感情や感性で反応する事態となり、ポピュリズムが不満をすくいとる結果を生み出しやすくなっている。今回の参政党の躍進も、少衆化と結びついていると思える。その点で、イデオロギーや組織ではなく、感情で動く層に届く言葉をどう磨くかを考える必要がある。既存政党の言葉が通じない現状を直視し、少衆化した人々に言葉を届ける知恵を絞る必要がある。
農民連の代表世話人は、農政との関係で参院選の結果について述べました。
自民党の米政策の失敗への批判が跳ね返り、一人区で自民党が18敗するという結果となった。自民党農政転換のチャンスだ。農民連は、選挙に向けた学習会を全国で開催してきた。れいわが行った「ごはん会議」の21カ所5000人の集会に負けていない。ただ、選挙戦が始まった以降、外国人問題での争点つぶしがあって米問題が最後までの争点とはならなかった。そのこともあって、共産党の農業政策の優位性を訴えきれなかった。生産米価の価格保障が当面の課題となるが、共通点での共同を引き続き追求し、要求前進につなげたい、と述べました。
全労連の代表世話人は、参院選での取り組み等について述べました。
今回の選挙では期日前投票が多くなされた。「選挙に行こうキャンペーン」を強めたことが一定反映したと自負している。ただ、投票率のアップが期待した結果につながらなかったことは残念だ。SNSの取り組みも重視したが、これも結果には結びついてはいないと思われ、選挙中にも変化する争点との関係も含め、宣伝内容の工夫が課題だ。
選挙後の状況は流動的だが、消費税減税で一致していても財源問題となるとバラバラであり、それだけに一致点での共闘を広げる努力を強めたい、と述べました。
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情勢討議の後、以下の点を事務室から提案し、論議しました。
(1) 都道府県、地域・職場・青年革新懇の結成等の動きと全国革新懇ニュースの普及状況について報告しました。5月の総会以降の革新懇結成は報告されていないものの、結成に向けた論議が進んでいる地域があることを報告しました。
7月に入ってからは、10部、11部の増紙が報告され、トータルで8部の増となったが、6月の減紙が大きく、総会以降の2カ月では147部の減紙となったことを報告しました。
(2) 第27回参議院選挙結果を受けての代表世話人会声明案を論議し、選挙を通じて排外主義が拡散され、それをマスコミが過剰に取り上げたことで選挙の争点外しが強まった点を補強した上で、発出することを確認しました。
(3) 「参議院選挙後の情勢のもとでの運動を考える交流会(仮称)」を9月10日に東京都内で開催することを提案し、確認しました。
(4) 次回の代表世話人会は9月22日(月)14時から、エデュカス東京7階会議室にてオンライン併用で開催します(8月の代表世話人会は開催しません)。
以上
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