内田聖子さんの「杉並モデル」を読んで
緑の党の機関紙に掲載された内田聖子さんのインタビューを、深い感慨を持って読んだ。
私にとって内田さんは、単に杉並の市民政治を担っている人ではない。PARCの「活動家一丁上がりプロジェクト」で教えを受け、そして宇都宮健児さんの都知事選挙を一緒に闘った仲間である。だから今回のインタビューに語られている「市民が主役の政治」「お願いしない選挙」「対話による政治」という言葉は、私にとって決して遠い話ではない。
特に心に残ったのは、岸本聡子さんの2022年の初当選を「187票差の奇跡」で終わらせず、その後の4年間を大切にしてきたという話である。選挙の時だけ市民に呼びかけるのではなく、選挙と選挙の間に政策を実現し、人と人とのつながりを積み重ねる。その地道な営みが、次の選挙で大きな力になったという指摘には、大いに共感する。
「お願いしない選挙」という言葉も印象的だ。もちろん「一緒にやりませんか」と人を誘うことを否定しているのではない。利権やしがらみを介して票を集める政治から決別し、一人ひとりが自分の意思で政治に参加する選挙をつくるという意味だ。
これは私たちが宇都宮さんの選挙で経験した市民選挙の精神とも重なる。政党や組織の力だけに依存するのではなく、「自分たちの社会を自分たちの手で変える」という思いを持った市民がつながる。その力こそが選挙を動かす原動力になる。
そして内田さんが繰り返し語る「対話」についても考えさせられた。政治を0か100かで考えるのではなく、異なる意見を持つ人が互いの事情を理解し、「これなら進められる」という納得解をつくっていく。
私はここに、これからの市民運動と革新政治が学ぶべき大きな課題があると思う。私たちは自分たちの正しさを訴えることには熱心だが、異なる意見を持つ人の声を聞き、共通点を見つけ、一緒に政治を動かす努力は十分だっただろうか。
もちろん、「対話」だけで政治が変わるわけではない。対話した結果、何が政策として実現したのか、暮らしがどう変わったのかを検証することも必要である。内田さん自身が「すべての声を聞けたわけではない」と率直に認めていることにも、私は誠実さを感じる。
内田さんは最後に、杉並での経験を「杉並だけの成功」に終わらせず、市民が主役になる選挙、しがらみに依存しない政治、対話による意思決定を全国に広げ、それを国政を変える力につなげたいと語っている。
私も宇都宮健児さんの選挙をともに闘った一人として、この言葉を自分自身への問いとして受け止めたい。
政党と市民運動をどう結びつけるのか。組織の力と一人ひとりの自発性をどう両立させるのか。そして、選挙の時だけではなく、日常の中にどう民主主義を根づかせていくのか。
内田さんから学んだことを過去の経験にしてしまうのではなく、これからの地域政治と市民運動の中で生かしていきたい。杉並で始まった挑戦は、三郷を含む私たちの地域にも問いを投げかけている。
「市民が主役の政治」は、誰かに実現してもらうものではない。
私たち自身が主役になって、つくっていくものなのだ。
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