「再生エネ買取制度の課題」
日経新聞4月17日の27面の「経済教室」に大橋弘東大教授の「再生エネ買取制度の課題(上)」という記事があった。
翌4月18日には古山道久九大教授の「再生エネ買取制度の課題(下)があった。
それぞれ簡単に要約して紹介します。
まず大橋教授から
震災前のエネルギー基本計画でも再生エネルギーの比率を現状の10%から2030年に20%にすることになっている。
今の情勢を踏まえてその比率を抜本的に上げる事も議論されている。
その起爆剤と言われているのがこの7月からスタートする「再生エネ買取制度」だ。
教授は3点について提起している。
1.計算方法
事業者の適正な利益に配慮しつつ決めるとされており悪名高き「総括原価方式」に似ている。
毎年事業者に事業報告を義務付けそれに基づいて買い取り価格を決定すべし。
石油石炭税の一部を充て電力料金の上昇を抑えることも考えるべし。
2.競争メカニズムの導入
①買い取り価格に応じて導入量がどれだけ変化するか(弾力性)
②導入量の増加に伴って、将来発電単価がどれだけ低下するか(量産効果)
のマスタープランと見通しを作成し買い取り条件は一律にすべし
3.産業育成促進
ドイツの中国パネルの大量導入で自国の太陽電池メーカーが経営破綻した例に学ぶべし。
国内産業を「守る」のではなく「伸ばす」視点が不可欠。
基幹技術の設備認定を!
例えば系統安定化技術や電池併設技術を優遇することは電気自動車や家電などに技術的波及効果があるし災害用非常電源の活用としても有効。
この制度は大きな社会的なインパクトを持つ。
7月以降少なくとも10年は日本国民が付き合って行かなければならない制度だ。
それによって低迷する経済の立て直しの一助ともなるだろう。
新エネルギー、省エネルギー推進の基盤作りを間違えないように国民も関心を持ち、声を上げて行かなければならない。
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