カテゴリー「文団連」の記事

2022年12月20日 (火)

声明 戦争出来る国家作りに反対する。

以下文団連の声明です。

ーー

声明 戦争出来る国家作りに反対する

       20221219 文化団体連絡会議 幹事会

 自民、公明両党は122日、戦後の安全保障政策の大転換につながる敵基地攻撃能力(反撃能力)を保有することで合意し、1216日に政府国家安全保障戦略など3文書改訂を閣議決定した。

国民の代表である国会の議論も素通りし、政府は国会軽視のまま「敵基地攻撃能力」保有進めようとしている。

文化団体連絡会議(文団連)は以下の点でこれに反対する
1、今までの国是であった「専守防衛」を実質的に変更し、日本が交戦権を持つ戦争国家」になる危険性がある。又「敵基地攻撃能力」保有は、明確に憲法9違反であり、軍拡競争を加速させる上に、相手側からの報復攻撃を正当化する口実を与えるものとなる可能性がある。
2、攻撃に踏み切るタイミングが明示されず、歯止めが曖昧なまま日本は攻撃兵器の増強へと進むことになり国際法に反する先制攻撃と受け取られる可能性がある。

3、攻撃対象も司令部も含む「指揮統制機能等」も「当然含まれる」とし、「必要最小限度の措置として許容されるかはその時々の判断」と抽象的である。

5年間で43兆円もの巨額の軍事費は暮らしと経済を破壊することになる。


 戦争回避の為に、いま必要なのは、「敵基地攻撃能力」保有ではなく、地域的安定をめざす柔軟で強力で包摂的な外交努力である。

文化は民主主義を育むが、文化は戦争によって破壊
文化に関わる団体の集まりである文化団体連絡会議(文団連)戦争出来る国家作りに反対する。   以上

2022年6月 7日 (火)

全国公募写真展「視点」を見てきました。

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全国公募写真展「視点」を見てきました。生前の瀬戸内寂聴が俳句の賞状を掲げて嬉しそうな写真が印象に残っています。組み写真も入れると全体では2539枚もありました。
確か何年か前に福岡の友人が写真を出しているというので見に行って会ったことがあります。
主催している日本リアリズム写真集団は文団連の賛助団体なので毎年見に行きたいと思います。
来年は自分も応募するかな?
カメラ持っていないけどスマホ写真でもいいのかな?
ーー
内容
2022年第47回全国公募写真展「視点」
会期:2022年6月7日(火)〜6月13日(月)
時間:09:30〜17:30 入場は終了30分前まで。最終日は14:30終了。
会場:東京都美術館 2階第4展示場
入場料:一般500円・学生300円・高校生以下入場無料

2022年5月12日 (木)

文団連声明 自民党「安保提言」に抗議します

  文団連の声明を紹介します。

                声明

            自民党「安保提言」に抗議します

自民党安全保障調査会が今年末までに決定することを予定している「国家安全保障戦略」の改定に向けて21 日にまとめた提言に抗議し撤回を求めます。

次の点が問題です。

安保法制のもとで米軍と共に進める「敵基地攻撃能力」の保有、更に「指揮統制機能等」の破壊などは相手国の指導部まで攻撃し全面戦争に発展しかねない極めて危険なものとなっています。

又、防衛費を「GDP パーセント以上」という目標を念頭に年以内に拡大すると提言していることは問題です。「GDP パーセント以内」とされてきた政府の原則を壊し倍増することになり国際的軍事緊張を高める要因になりかねません。

更に、「防衛装備移転三原則」を見直し、侵略を受けている国に対しては「幅広い分野の装備の移転を可能とする」として武器輸出を提言しています。これは日本の兵器によって人々が殺されることを意味し憲法九条を持つ国としては断じて許されないことです。

ロシアのウクライナへの侵略戦争による国民の不安を煽り、軍拡競争につなげるこの提言をまとめることは許されません。

年以上続くコロナ禍により、世界と日本の国民生活の状況は悪化しています。我々文化・芸術の分野に携わる者に関しても第六波に及ぶ長期のコロナ危機のもとで文化・芸術を支える土台が損なわれつつある深刻な状況が続いています。

求められているのは防衛予算の倍化ではなく国民の為の予算の倍化です。自民党「安保提言」に抗議します。

2022 25 文化団体連絡会議(文団連)幹事会

2022年4月 5日 (火)

文団連全国交流集会のご案内

 

今回のテーマは「若者と文化」
次世代に文化運動を継承し、どのように創造してゆけばよいでしょうか。作曲家、指揮者として活躍する藤村記一郎さんが、『幸せ合唱団の若者を育てるミュージカルづくり』として語る。
日時:2022年4月16日(土)
       13:30~16:00(13:00にZOOM受付開始します)
             参加は無料です。
プログラム   
     司会 石川久(愛知文団連)
 第一部 13:40~14:20 
     藤村記一郎 さん
作曲家、名古屋青年合唱団・愛知子どもの幸せと平和を願う合唱団など多くの合唱団で指揮
 「幸せ合唱団の若者を育てるミュージカルづくり」
 第二部 14:40~15:00
     間部友哉さんインタビュー
(うたごえ青年学生部 部長)『全国青年のうたごえ交流会・日本のうたごえ交流会の中の青年のステージについて』など
このZOOM集会に参加希望の方は以下へご連絡ください。
参加リンクをお送りします。 
 文化団体連絡会議  bunndannrenn@googlegroups.com
藤村記一郎さん

2022年3月18日 (金)

革新都政の会総会での文団連の発言

 

 

   

    

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3月18日 革新都政をつくる会総会で文団連を代表して以下発言しました。
ーー

文化団体連絡会議(文団連)事務局長の大津留公彦と申します。
出身は新日本歌人協会です。
始めに、革新都政をつくる会2022年総会の成功を、お祝い申し上げます。文団連から、ご紹介を兼ねて討論に参加いたします。
文団連は、現在、10団体の加盟団体と賛助団体2団体により構成しています。コロナ感染症蔓延以後、会議はすべてズーム会議で行い感染予防をしてきました。加盟各団体はともにコロナ感染症の蔓延により、この三年間の活動に規制がかかり、結果として、組織的、財政的に大きな痛手を負うことになりました。現在も影響は続いています。
この中で、明らかになった事は、文化活動や文化事業、従事者に対する、行政や、都の施策が非常に不十分であり、「文化」が政治の中で、軽んじられている実態です。西欧諸国の対応は、「文化」は、国民の生活に重要なもの、その国の姿を現すものとして扱われ、コロナ対策も、十分な補償と支援が行われています。日本では、文化団体、文化事業者、フリーランスのアーティストなどからの、切実な要望に対して政府も東京都も重い腰を上げたのは、一年以上も経ってからです。同時に明らかになった事は、どんな時代にも、「文化」は国民、市民にとって無くてはならない大きな役割を果たしていることです。私たちは今後も「文化」の旗を掲げて運動を広げていきます。
 
「文団連」は「表現の自由を守る」活動を行ってきました。私達はロシアがウクライナ侵略を始めた翌日の2月25日「ロシアはウクライナ侵略を止めよ」と言う声明を出しました。このウクライナ情勢を見る中でも、ロシア軍は軍事力を強める一歩で、国内外の国民に対して、巧妙な情報管理を行い、権力者の意に反する、報道、SNS、メディア規制を強め侵略に反対する真実の声を押さえつけています。
日本国内においても、安倍政権依頼、行政による「表現の自由」を侵害する行為が増えています。
文団連は、歴史に学び表現の自由が奪われる事は戦争前夜と位置付け、「表現の自由をどう守るか」をテーマに、昨年全国文団連交流会を開催し、「赤旗」紙上にも紹介されました。次回は4月16日午後「若者と文化」をテーマに、愛知文団連を中心に開催します。
 
「市民と立憲野党の共闘」は、議案が述べる様に東京において大きな成果を上げました。文化分野においても、自公政権や、小池都政が、切実な国民。都民の願いを無視して、大企業、多国籍企業、ゼネコン等へ顔を向けた政治を続ける中で、これらの政治に反対して、「豊かな、民主的な文化運動」を発展させる上からも、新しい政治の転換を求める声が高まっています。
今日立憲と共産で「参院選1人区での候補者調整の協議を開始する。」ことが合意されたことは一歩前進だ思います。
また昨日3月17日東京都は都立病院の独法化議案を可決しました。
これは行政的医療の後退を招くものであると同時に人員削減・人件費削減を狙ったものだと思います。
これからも、文団連は、「革新都政をつくる会」の代表世話人団体の一員として、多様な活動を強化していく事を表明し議案に賛同する立場で、討論に参加いたします。共に、戦いましょう。
短歌で終わります。

一滴が大波になり戦争止める
抗議に出よう
「私もマリナ」

2022年2月26日 (土)

(声明)ロシアのウクライナ侵略を許さない!

(声明)ロシアのウクライナ侵略を許さない!
2022225
文化団体連絡会議幹事会
 ロシアはウクライナ東部地域の独立を承認し、軍隊の派兵を行うと共に24日にウクライナ各地の軍事施設、キエフ、オデッサなどへの攻撃を始めました。

ロシアのこの行為は明確に国連憲章違反です。

国連憲章には国連加盟国の主権や独立、領土保全の尊重、武力による威嚇の禁止を明記しています。
またロシアは核兵器の使用を示唆しています。広島・長崎・ビキニと被曝した唯一の被爆国である日本の文化団体として核兵器の使用は断じて認めることはできません
ロシアは軍事作戦を直ちに中止せよ!
ロシアはウクライナから手を引け! 以上


#戦争反対 #NoWar #StandWithUkraine

2022年1月12日 (水)

うたごえ 間部友哉さんインタビュー

文団連のFacebookからの転載です。

ぶん文インタビュー  うたごえ 間部友哉さん
12月14日、ぶん文インタビュー初のzoomインタビューを行いました。お相手はうたごえ祭典を終えたばかりの、うたごえの青年学生部長で愛知青年合唱団の間部友哉さん。12月3日~5日、3つの音楽会にのべ4380人が参加した「核兵器禁止条約発効! ひかりにむかって 2021日本のうたごえ祭典inひろしま」。間部さんはコロナ下でオンラインで合唱練習をしていたというだけあって、zoomはお手のもの。インタビュアーはいつも通り東京芸術座の森路敏さん、記録係は青年劇場の福山啓子。「うたごえとは何か」という本質に迫るお話が聞けました!

コロナ下でも工夫を凝らして練習
―広島のうたごえ祭典成功おめでとうございます。こういう大掛かりなイベントをこの時期にやれたというのは、我々としてもうれしいです。間部さんはどういうきっかけでうたごえの運動にかかわることになったんですか?
間部 僕がかかわったのは、2010年、愛知の青年のうたごえ祭典があって、その時にまだ僕は9条の会とか、民青同盟の活動をやっていたんですが、今の名古屋青年合唱団の武藤良子さんから「青年の集まりがあるよ」と声をかけていただいて。9条の会で武藤さんと知り合ったんですが、9条の会では僕ら青年層で「ロックソーラン」というのをやっていて、うたごえの方でもロックソーランをやってる団体がけっこうあって、「みんな踊れるから一緒にやらない?」と声をかけてもらって。9条の会でも周年記念行事があった時に他の団体の若い踊り手とやりたいと思っていたので、愛知で青年の交流会に参加してかかわりが始まった感じです。
―それ以前には歌を歌ったり、合唱をする経験は?
間部 僕は学童保育っ子だったので、「ぞう列車」を学童の企画でバザーの時に歌った記憶はあるんですけど、ほんとにそれくらいで、合唱はどっちかっていうと学校でも苦手な方でした。ロックソーランからのかかわりで、「合唱、いいな」と思って愛知の方でその後一緒にやりつつ今ここまできた感じです。

―今回の祭典に向けて、コロナ下で大変なことがいっぱいあったでしょう?
間部 青年の子たちって、働いてる職種にエッセンシャルワーカーとか、ケア労働をやっている人が多くて、保育士さんとか看護師さん、介護士さん、医療福祉関係で働いてる子たちが中心になって青年のうたごえを作っているので、「県外に出られない」とか「人が集まってやる合唱にはなかなか行けないよ」と。もちろん地元でも練習会をやれない状況なので「広島へなんてとんでもない」と。改めてそういう子たちに支えられて活動していたんだなと思いました。普通に働いてる人たちももちろんいるんですけど、組織するのが大変だったり。毎年どこかで集まって練習してうたごえ祭典に臨もうってやっているんですけど、そういうことがコロナ下でなかなか難しかったです。
―僕の劇団も、公演が成立するかどうかから始まって、稽古をどうするか、いつPCR検査を受けるかってやってきました。合唱で集まって練習できないってほんとにつらかっただろうと思います。祭典をいろんな人に見に来てもらうことも大変だったんじゃないですか。
間部 「なかなか見に行けないよー」って声はありました。ただ、Zoomを使ったり、新しい技術に触れながら、「オンラインならやれるんじゃないか」と試したり。難しい中ではありましたけれど、青年としても「運動を止めたらいけないな」っていう思いがあったんで、オンラインで、サテライト会場を作って、練習会とzoomの中継地点を作ったりして、みんなで練習をしたり、みんなでいろいろ考えながらやってきた感じですかね。

―昨年うたごえ祭典をやれないとなった時の状況はどんなでしたか。
間部 ある程度みんなで作っていこうと準備も進めていた段階だったので、「ああ、できなくなるのか」となった時は、それはやっぱり、もったいないというか、そこで運動が止まってしまうのかなという思いもありながら、状況が状況だったので、その当時は感染して広げちゃう方がダメだという雰囲気もあったので、「そうだよな」って。残念ではあったんですけどね。

うたごえはみんなの居場所
―普通の趣味でやってる合唱団と、うたごえの違いというか、うたごえの特徴は?
間部 うたごえ以外の所もその人の居場所にはなってると思うんですけど、うたごえやってる子たちにはうたごえが生活の中心になってるのかな。そこで人と会うというのが、歌だけじゃなく、歌えなくても集まって話を聞く、話をする場にもなっていたと思うんで。意識してなくても、練習会だけ、歌を歌うだけで集まっているのではないのかなって。なんで練習行くのかなっていうと、知ってる顔に直接会って、仕事の愚痴とか、悩んでることとかも練習の後に聞いたりして。歌以外の所でも関わり合いがあって、居場所になってるところが違うのかなと思います。
―生活の一部?
間部 日常生活みたいな感じですかね。どこまでみんながそう思ってるかわからないけど。僕としては一つのコミュニティとしてあるから、「あーまた練習かー」という雰囲気じゃなく、この練習会にいったらちょっと元気になってまた「明日も仕事がんばろう」ってなったり、「学校行きたくないなー」と思ってもみんなと集まって話して「ああそうか、まあちょっとがんばってみようか」っていう感じになればいいなと思ってるんで。

オンライン練習に手ごたえ
―祭典では間部さんはどこに出演していたんですか?
間部 青年のステージというところで、コンサートⅠだったらフィナーレの「HEIWAの鐘」というところで、コンサートⅡだったら「広島へ」というパートが青年の作るステージだったので、そこにかかわらせてもらって歌ってました。
―ひろしま祭典の前に青年の祭典があったんですね。
間部 毎年日本のうたごえ祭典ていう、全国規模でやる一番大きい祭典の前に、各分野、産業、産別ごとの、医療や保育というカテゴリーの中に青年のうたごえというのもありまして、日本のうたごえの始まる前に、二か月前とか、時期は少し違うかもしれないけど、青年のうたごえ交流会とか青年祭典をやって全国祭典に臨むので。今回は青年のうたごえ交流会を僕の地元の愛知でやったので、準備して、それを広島につなぐという取り組みをやりました。
―愛知の青年のうたごえはどんな様子でしたか?
間部 この愛知の方も、2020年頃から準備していたので、一回はコロナで断念したんですが、今年はやっぱりやろうということで、最初はホテルを貸し切ってやることを考えていたんですが、泊りでの交流会はリスクがあるということで、コロナの中でもやれる方法を考えて、オンラインのzoomでやることを決めました。10月の9日と10日です。愛知の労働会館と、東海音楽センターっていう地元の、青年合唱団が普段練習してるところを拠点にして、現地の参加の人もいるんですが、全国の人はzoomを見てもらうという形を取ってやりました。県を越えて来るというのが10月はどうしてもできなかったので。

―オンラインの大変さや便利さは?
間部 便利だったのは、県を超えて参加できることがいいなと思いました。「時間が合わなくて来れないよ」という人も、保育士さんや、外に出られない人もzoomを使うことによってパソコンやスマホを通して見ることができた。参加できない人が何かしらの意図を持って参加をしてくる取り組みができたっていうところ。ただやっぱりzoomを使うと、配信の映像が流れなかったり、誰が参加しているのかなかなかわからなかったりしたので、最初の申し込みの所の誰が来る、誰が来ないという見極めというか、申し込んでくれた人に対するケアがどこまでできるか。普段だったら「どんどん来いよ」「お客さんでもいいから来いよ」って言えたんですけど、やっぱり参加の集約とかもしっかりやっておかないと難しかった。
―大人数になると、同じ会場にいるわけじゃないので意思疎通が難しいですね。
間部 そうですね。ある程度はチラシとかで「こうやってやるよ」って周知しているんですけど。「声が聴きづらいよ」「画像出てないよ」とか難しいところもありました。でもやっぱりやったことによって、前の年の、普通に生で参加できた時の人数くらいは集めることができたし、現地も集めることができて、オンラインでもある程度人が集まってくれたので、zoomを使う前の交流会の人数を青年で組織できたのは良かったかなと思います。
―手ごたえがあった。
間部 zoomでもやれるなってのはありましたね。オンラインの技術者の負担は大きくなるかもしれないけど、全然練習してないよりは、zoomを通して指導してもらったりできるのがわかったし。サテライトを繋いで、一つ大きな中継地点の会場で、何人かごとに集まってる会場をつなぐようにすれば。歌の練習もあるから、ある程度は集まるのが大事だと思うんで。10名くらい集まってるところをいくつかサテライトのようにつなげば、練習している人たちも一緒になって歌ってる感覚があって、一人で参加してる人たちも一緒になって歌う感覚で練習ができる。音のずれもあったり難しいですけど、まったく練習しないよりは、音程、音取りのところではリアルとそんなに違わないというのがわかったので。久しぶりにみんなで歌うということを「歌えない中」でやって、良かったなと。
一つ考え方として、現地に来れる子だけでやるよりも、なかなか来れない子もzoomを使えばある程度参加できるとわかった。普段なかなか「あーいけないじゃん、仕事あるし」という子も時間を見つけてどこかで参加することができる。zoomを使ったオンラインの取り組みはもっと研究する価値があるかもしれないなと思います。コロナが収まるかどうかなかなか見えないので、zoomを使ったり現地で集まったりを繰り返しながらやってくといいのかなという手ごたえはありました。

―そういう経験は本祭典に向けた練習にも生かされた?
間部 ある程度zoomでやれるっていうことがわかったんで、zoomで練習してくる子たちもいました。どうしても本祭典の時は現地で練習しないといけないんですけど。
でも、どうころぶかわからない中で、zoomで練習して、「今年はうたごえ祭典広島であるんだ」っていうのが意識できると、「現地に行こう」ってとこにつながることもあると思うんです。なんにもないと、「ああ、あるかどうかわからない祭典のために練習するのもなあ」ってなるし。まったく練習しないと決めた合唱団もあったんで。愛知で一つ青年祭典ができて、「愛知でやれるなら、zoomでもいいから練習してみよう」「広島でもやるのか、じゃ集まって練習しよう、zoomでもいいよ」ってなるのは、まったくゼロよりいいのかなと思います。

歌を通して広島を知る
―ひろしま祭典の特徴は、広島という土地柄もあるのか、ちょうど今年1月22日に核兵器禁止条約発効ということで、それも一つのテーマだったんですか。
間部 平和のことを今の青年が組織して歌うっていうのは、広島という特別の土地だからこそ意味があるのかなと思います。当時のことを知らない、歌しか知らない子たちでも、歌の詞から「この詞はひめゆりのことを言ってるんだ」ということを指揮や合唱の先生から習うことによって、学校の中での勉強と違う角度から、改めて見るというのも大事かなと思います。今年はさらに広島だったっていうこともあって、歌詞に場所のことが書いてあると自分たちでそこへ行って、当時を思いながら歌って、「この土地でこの歌を歌うのか」という思いがあるかなあと思うし。僕たち自身も覚えていないこともあるから、忘れないようにするという意味もあるし、思いを受け継いでこのまま何があったのかをしっかり見極めるという意味も。改めて現地に行って歌うというのが大事だったかなあと思います。
―そういうことを若い人と話したりしましたか。
間部 なかなか「じゃあ改めて平和のことについて話すか」ってことは無いけど、「これは核兵器禁止条約のことを歌ってるんだよ、一月に批准されたけど全然日本政府動かないし」ってことは仲のいい子には言ったりしますけど。僕は批准を迫らないといけないと思うし、唯一の被爆国であるし、でも今の政府の人たちは逆に「核兵器を持ってる人たちと仲良くするのが大事だから条約批准しない」っていうんで、いやいやそれは違うだろうと思うので、そこは大事だと思ってます。
―仲間内でもきっかけがないと、普段平和のことについて語らないからね。
間部 広島で歌うから出しやすいということはあるかな。
―キム・ウォンジュンさんが「ねがい」を歌うのを聞いて、ハングルで聴くとこんな感じなんだというのは印象的でした。

集まって歌うことの大事さに改めて気づく
―ひと段落ついて、これからまた合唱の練習をどう進めていくか考えはありますか。
間部 当分zoomを使ってやることになるかと。本当はみんなで集まって歌えるといいんですけど。Zoomを使えるところは使って、対面と合わせてやっていくことになると思います。全国どこでも。それをやりつつ、うたごえの全国組織で講習会をやる時に青年も一緒に参加するとか。あとは地元でどれだけ動けるかかな。
―若いメンバーにエッセンシャルワーカーが多いというお話でしたけど、コロナのことには敏感でしょうね。
間部 そうですね。「県を越えられないじゃん」とか、「集まるってどうなの」とか、職場から「うたごえにあんまりいかないでくれ」とか、練習会も「やめてくれ」ということもあったんで、出来るところからですかね、そこは。
―僕らも職業柄切なく感じることはあります。
間部 歌じゃないところでもっと集まったりとか、もっとzoomを使って勉強会やったり、どこまで出来るかわからないけど、やれたら違うかなと思います。
―お話を聞いていて、集まること自体が基本になってるのがうたごえの特徴のような気がします。
間部 合唱は、zoomでやれたからいいじゃんって思ったんですけど、やっぱり現地に集まった子たちの感想で「久しぶりに声を聞けて良かった」「改めて声を合わせて歌うってことは集まらないとできないんだなと感じた」と。集まらなくてもできることを見つけたからこそ、改めて集まって歌うっていうこと、集まって練習する、話したり、笑いあう、勉強するっていうのがめちゃめちゃ大事だなって気づかされた。コロナになったからこそ、今まで当たり前だったことの大事さが見えてきた気はしますね。
―祭典もコンサートも演劇も、会場にお客さんが入ってやるのと、ライブだからって無人でやるのとは全然違うよね。息遣いとか感じますし。
間部 今回広島祭典をやって、僕は青年のステージでしか歌えなかったんですが、それでも周りにお客さんがいる、客席が埋まってるのってほんと久しぶりだったんです。僕らも歌のサークルなんで、合唱発表会で地域で歌った時は、お客さんは入ってたんだけど人数制限があって、「お客さんの顔が見えないよ」っていう感じだった。今回は全部のステージの客席が埋まってて、こうやってこんなに人がいる中で、お客さんの顔を見て歌ったの何年ぶりだと思って。そこは全然違うなと改めて思いました。
歌った後拍手してもらったりすると全然違う。フィナーレで拍手もらって、自然にアンコールって感覚にお客さんもなってたし、それでもアンコールは出来ないんだけど、これってお客さんがいるからだなって。今の自分たちがやったステージが目の前のお客さんに少しでも届いたんだなって思ったりしました。
―通じ合いたいですよね。
間部 なかなか一体になってやることができなかったんで。客席がまばらだと、どうしても本当に届いてるのかなって思ったりするんですけど、広島のステージはお客さんが一杯いて、歌い手が「出し切った」と思える時にお客さんからレスポンスがあると非常に気持ちがいいというか(笑)、やってて良かったなと。一人で歌ってるのでなくて、みんなで合唱しているのがいいのかな。みんなで歌ってみんなで受け取るというか。

みんなで支えあって、みんなで創るうたごえ
―共同作業みたいですね。
間部 みんなでステージを作って、お客さんからワーッと拍手もらうのはすごいいいことだなと思います。個人でそれができる人はすごいと思うけど、みんなで歌って、拍手をもらう良さがある。
―みんなでつくる文化祭みたいな(笑)。大人になってそういう機会ってなかなか無いよね。
間部 そうですね。お客さんを意識するってふだんなかなかしてないし。こういう大きなステージだと余計に「お客さん入ってるな、よし」ってなりますね。日常では味わえない。
―そういう意味でも生活の一部っていう感じがするし、僕らも文化団体って言ってるけど、文化のあり方を考える一助になる気がします。聴くだけ、歌うだけじゃなく、コミュニケーションというのともちょっと違うけど、なんか双方が通じ合うものがある。
間部 自分が表現者にもなれるし、聴く側にもなれるし、そこで意識してないけど、「ああ今素人ながらに、お客さんの前で歌っている」という不思議な感覚がありますね。どうしてもお客さんの前で歌うっていうとすごいいいものでなきゃって身構えたりする。それでもうたごえなりの良さでそうやってステージに立てるというところとか、みんなプロだから歌ってるわけじゃなくて、「こういう思いを伝えたい」ということで歌ってると思うので、それがやっぱりうたごえの一つの良さかなと思います。プロばっかりが歌ってるわけじゃないよ、ど素人も歌ってるしみたいな。それでもみんなある程度意識してがんばってステージ作ろうっていう、歌い手ではあるし。
―僕らはプロだから上手くなきゃいかんとかね、うまくなるように修練しないといけないってのは当然あるけど、うまけりゃいいのかっていうのも一方であるよね。上手さだけじゃないっていうのはわかる気がします。今の話聞いてて、うたごえってやっぱり一つの家族みたいな感じもする。
間部 お客さん含めて支えあってるっていうのはあるかなあ。お客さんもうたごえを支えてもらって、出てる方もうたごえで支えてもらう。みんなで支えあってみんなで作るっていう所がいいのかな。お客さんも含めて作っていくステージがある。それで家族みたいに感じられる温かい雰囲気があるステージなのかなと思います。
―今時珍しいというか(笑)、こういうのを続けていくのは難しいし、大変だなって思います。変化のスピードが速いし、芝居も音楽もそうだけど、それぞれが好きなものがあって、みんなで歌えるとか、みんなで一緒に見られるみたいなものが少なくなってるような気がするんです。そういう中で、今回ステージを見ていて、ほんとに様々じゃないですか、太鼓があったり、年配の方から若い人まで参加して、ほんとにたくさんの方がかかわってる祭典を一つのイベントとしてまとまりを付けるって結構大変じゃないですか。
間部 今の時代って情報が溢れすぎている時代だし、好きなものだったら自分で調べて好き勝手見られるよっていう時代でもある中で、うたごえとして、みんなで一つのものを作るっていうことが大事になっていくと思うし、そこはこの先もずっとそういう方向でやっていってほしいかな。好きなものは自分で見るけど、それとは別の角度でうたごえにかかわってもらえたらって思います。
―あと、マスクしてうたごえ祭典やったのって初めてでしょ? 苦しくなかったですか?
間部 指導する先生たちが、マスクをしながらでもきれいに響く発声の仕方を指導してくださって、技術面としてマスクをしながらでも響く発声が課題になってたんで、それを教えてもらったり。
―それ興味あります。(笑)芝居の稽古はずっとマスクなんで。口をちゃんと動かすとか?
間部 マスクをして隠れてるからといって表情を作らないわけじゃないってところですかね。ちゃんと感情はマスクの中で乗せて、マスクで隠れてるからこそ意識して、とか。あとは自分が思ってるよりも上の方で響かせるとか。これは人それぞれなんですけど。
―見ていて呼吸が苦しいんじゃないかって心配になりますけど。あれは特別なコーラスマスクではないんですか?
間部 コーラスマスクの人もいるけど、基本一般的な不織布のマスクでやりましょうっていうことだったんです。指揮者や伴奏の方はマスク取ってもいいよ、歌い手はとりあえずマスクしましょうっていう感じでやってましたね。
―オーケストラでも、管楽器の人はもちろんマスクはできないけど、弦楽器の人はマスクしてますね。そこらへんは徹底してたみたいですね。
あと子どもがすごい参加してましたね。あれは現地の児童合唱団とか?
間部 広島の学校の、地域の子どもたちだって聞きました。
―来年のうたごえの予定は?
間部 2022年8月に宮城で「全国青年のうたごえ交流会in宮城」をやります。その後12月に愛知で全国のうたごえ交流会をやります。広島祭典と同じようなイメージです。
―祭典と交流会の違いは?
間部 祭典はお客さんを呼んでコンサートをやり、交流会はお客さんを呼ばないで、うたごえの人が交流する。
―その中で日頃のうたごえの練習の成果を発表したり。
間部 はい。三日間とって、合唱発表会と、コンサートと、歌う会とか。
―お互いコロナがいつ収束するかわからないけど、負けないようにがんばりましょう。愛知に公演で行ったときはお会いしたいですね。今日は本当にありがとうございました。
間部 ありがとうございました。

2021年12月19日 (日)

文化は憲法改悪を許さない!

文団連の声明です。
(声明)
文化は憲法改悪を許さない!
文団連は、憲法に基づく政治を実現するために市民と野党の共闘の発展を支持し、日本国憲法9条などの改憲に反対します。
選挙では殆ど触れなかったにも関わらず、自民党は、選挙公約で日本国憲法の改正をあげ、岸田文雄首相は、総選挙後の所信表明演説において「敵基地攻撃能力」と沖縄・奄美周辺にミサイルを配備するとか今まで以上に軍事的に踏み込んだ対応をしようとしています。
又9条改憲に向けた国会論議の加速を打ち上げ、「憲法改正実現本部」を立ち上げています。
 日本維新の会の松井一郎代表は、総選挙後、「来年参院選と同日に改憲国民投票を」と踏み込み、与党、維新ら改憲勢力は、臨時国会における憲法審査会での改憲案討議入りを数の力で押し切りました。
改憲派は、自民党4項目改憲案をもとに、とりわけ、コロナ対策を理由とする緊急事態条項の創設とアメリカの軍事戦略に加担し、中国に武力で対抗するための9条改憲を狙っています。
しかし、コロナ対策のために改憲をする必要は全くない。また、米中の緊張関係が高まる中、日本が行うべきは、憲法の平和主義の理念に基づき、国際世論をリードして戦争の危険性を回避するためのあらゆる政治的な努力です。
 いま必要なのは「憲法の改正」ではなく、憲法を蔑ろにする政府に憲法を遵守させて、憲法に基づく政治を実践させ9条をいかした平和外交を進めることです。野党の共通政策で示した「憲法に基づく政治の回復」「安保法制の違憲部分の廃止」は今後も重要な視点です。
私たち文団連は異なる文化ジャンルの団体の連絡会議です。
これまでも平和と表現の自由を侵す自民党改憲案に反対し、立憲主義・平和主義に反する「安保法制」などの法律の廃止を求めてきました。
憲法と平和の危機に直面する今、人の心を豊かにする文化を守り、発展させようとする私たちは、あらためて命と平和と民主主義を守る憲法に基づく政治への転換を強く求め、9条改憲NO!全国市民アクションの進める自民党改憲4項目に反対する署名運動を支持し展開します。また、来年の参議院選挙に向けて改憲に反対する市民と野党の共闘を一層広げかつ強化するよう強く後押しをし、奮闘します。
  2021年12月17日 文化団体連絡会議(文団連)第八回幹事会

日本映画復興会議桂壮三郎さんインタビュー

以下文団連の行事です。
2021年12月22日(水)20:00ー21:00 
日本映画復興会議桂壮三郎さんインタビュー
劇映画 わが青春つきるとも-伊藤千代子の生涯 撮影を終えて
(インタビュアー文団連事務局長 大津留公彦)
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2021年10月 7日 (木)

「表現の不自由」如何にに立ち向かうか(文団連全国交流集会記事)


10月6日赤旗記事のテキストをお送りします。
参加した人ならではの報告者を全て的確に網羅したいい記事だと思います。
ーー
「表現の不自由」に立ち向かう
文団連がZoomで集会
2021年10月6日【文化】

 文化の民主的な発展を願う団体の連絡協力組織である文化団体連絡会議(文団連)は9月26日、ウェブ上で全国交流集会を開きました。「『表現の不自由』にどう立ち向かうか」をテーマに、今年7月「表現の不自由展」を開催した大阪と名古屋の実行委員が発言し、埼玉、川崎、東京からも表現の自由をめぐるたたかいが報告されました。

 「表現の不自由展・その後」をつなげる愛知の会の高橋良平さんは、開幕後、施設での郵便物破裂を理由にした施設休館で展覧会が中止になり、すぐに再開を申し入れたところ、「名古屋市が根拠もなく休館決定したとわかり、不当性を明らかにできた」と告発。多くの市民の支援も得て、再開を求めていくと述べました。

 「表現の不自由展かんさい」の岡田大さんは、開幕前に施設管理者が脅しなどの妨害を理由に使用許可を取り消したなか、法的手段により開催できたことを報告。情報公開請求で吉村洋文大阪府知事の関与が明らかになったことを示し、「見たい作品を裁判までしなければ見られないことがおかしい」と強調しました。

 さいたま市で起きた公民館誌への「九条俳句」掲載拒否は不当だと訴えた問題では、九条俳句市民応援団世話人の石垣敏夫さんが掲載を勝ち取った裁判の経緯を説明。事前検閲の危険性に触れ、「公平・中立とはすべてのものをきちんと表示すること」だと話しました。

 川崎文化会議議長の城谷護さんは幅広い市民が参加する「平和をきずく市民のつどい」に対し、川崎市が集会アピールの安保法制や憲法9条の文言が「市の中立性を損なう恐れがある」と後援を取りやめたこと、その後話し合って後援拒否を撤回させた経験を報告。アーティストでアクティビストの戸山恢(こやまかい)さんは自身が出品した「オリンピック終息宣言緊急展」「小さな抵抗展」を紹介し、日常を壊してくるものに抵抗するための制作や市民運動への思いを語りました。
ーー

映像はこちらです。
文団連全国交流集会「表現の不自由」にいかに立ち向かうか
2021年9月26日
東京・愛知・大阪・埼玉・神奈川より
https://youtu.be/1nhyR-_rTWU
以上

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