2010年10月 3日 (日)に一葉の江戸 正太郎の上野浅草
という記事を書いた。
今朝の日本経済新聞の文化欄に「一葉が見た下町 模型に」という三浦宏さんの文章があった。
現在一葉記念館で行われている「一葉と江戸」という特別展に「三浦屋」という吉原の遊郭の実に写実的な模型が展示されているがそれを作った人だ。
遊郭というものがこういう構造になっていたというのはこの模型を見るとよくわかる。
三浦さんの文章を少し引用します。
「一葉の小説にはそんな下町の様子がよく描かれている。下谷で暮らしたのはわずか九ヶ月半だけれど、一葉には江戸っ子の気質がある。貧乏暮らしでもお金が入るとウナギを食べに行っちゃうし、14歳で入門した歌塾「萩の舎」の歌会では古着姿でも堂々としていた。歌に自信があったんだろう。妹を大事にしていて人力車によく乗せてやったそうだ。一葉の長屋の模型を作った時、建物よりも先に人力車を作ったのはそんなわけだ。」
さすがに一葉と同じ下町に住んで来た人なので、なんだか一葉がすぐ近くに居る感じの文章だ。
更に引用しよう。
「一葉は生活のため下谷で駄菓子、荒物を扱う店を開いた。一葉の長屋を再現する時には日記「塵の中」を読んで、店に並べた品物も考えた。げたの歯は白く、なんていう記述があったから、げたの差し歯も作った。私が子供のころはげたの歯入れ屋という商売がまだ残っていたから、はっと気づいた。
一葉記念館ではいま、「一葉と江戸」という特別展をやっていて、三浦屋のほか模型をいくつか展示している。一葉の時代の下町には江戸の風情が残り、明治の新しい文化も入って来た。そんなおもしろい時代の雰囲気を味わってほしい。」
本を読んで時代考証が出来るといういい例だろう。
一葉記念館の「一葉と江戸」という特別展は10月1日から12月24日までやっています。
以下電脳空間からいくつかの情報です。
ーー
浅草在住の三浦 宏さん(83)は、先々代は船大工、先代は檜の風呂桶、と三代続く職人さん。ご本人は風呂桶の職人です。その技をいかして、江戸時代の町家を十分の一の模型で再現。その緻密さは驚くほどです。
時代考証から当時の生活全般にわたり、自分で調べて製作しますので、1点の製作に1〜2年かかるそうです。しかし、その確かさは歴史学者や建築家からも一目置かれるほどです。
テプコ浅草館 企画展『檜細工師 三浦 宏 匠の技』から
こんな本があるようです。
針穴写真という不思議な世界です。
ピンホールカメラには、露出に恐ろしく時間がかかる一方で、撮影対象のすべてにピントが合うそうです。
amazonには内容と著者に付いてこう書いていました。
ーー
内容(「BOOK」データベースより)
まだ人の温もりが、情緒が、風景とともにあった時代。檜細工が再現した一葉の作品世界。針穴写真が切り取ったあの日の明治。樋口一葉を訪ね、味わうヴィジュアル・ブック。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
三浦 宏
1926年 東京浅 草生まれ。桧細工師・三浦玉舟としても知られる。祖父、父の技術を継承し、風呂桶製作のかたわら、江戸期の家屋や生活道具を職人としての経験と時代考証に もとづき再現。特に十分の一の縮尺で製作された作品は内部まで事細かに表現され人々の気配までが作品にとりこまれている
田所 美惠子
針穴写真家。1990年渡仏。シャロン・スュール・ソーヌ市立ニエプス写真美術館で針穴写真を学んだ後、パリで針穴写真の撮影を始める。1999年社団法 人日本写真文化協会功労賞受賞。大学、美術館での講議やワークショップ、雑誌新聞テレビ等、さまざまなメディアを通じ、針穴写真の先駆者として普及に努め る。2006年より日本針穴写真協会会長
森 まゆみ
東京都文 京区生まれ。早稲田大学政経学部卒業。1984年地域雑誌「谷中・根津・千駄木」(愛称「谷根千」)を刊行。現在、「谷根千」の仕事を続けながら、環境保 全の活動や幅広い執筆を精力的にこなし、『鴎外の坂』で一九九七年度芸術選奨文部大臣新人賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたも のです)
以上です。
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