カテゴリー「経済・政治・国際」の記事

2023年10月 9日 (月)

「埼玉県虐待禁止条例」改正案についてのやり取り

「埼玉県虐待禁止条例」改正案についてのある埼玉県議とのやりとりです。

ーー

)埼玉県議会で審議されていて1013日可決予定の埼玉県子どもだけの登下校禁止条例はとんでもない条例だと思います。

子どもだけ家に残してゴミ捨てに行ったら「虐待」。

子どもだけで公園で遊ばせたら「虐待」。

高校生の子どもに下の子を預けて出かけたら「虐待」。

子どもだけで買い物に行かせたら「虐待」。

 

考えられない条例です。県がゴミ捨ても公園で遊ばせるのも、買い物もやってくれるとでも言うのでしょうか?

 

そもそもそこまで子育てに県が口出しをする権利があるのでしょうか。

そして子どもはどうやって自立していけば良いのでしょうか。

あまりにもひどい条例案です。

是非採決で反対して下さい。

ーー

県議)条例案は条例(行政)が監視するものではありません。県民が虐待を発見した時には通報を求めるものです。

もとより、「埼玉県虐待禁止条例」には通報を促す規定があったのです(第十三条等)。それでも全国的に不幸な事故・事件が後を絶たないため、今回の書きぶりとなりました。

 

)現条例13条は県の環境整備義務を書いているだけで「通報を促す規定」ではないと思います。

https://www.pref.saitama.lg.jp/documents/104705/tikujyoukaisetu.pdf

 

 

県議)現状では政策が追いついていないところ、行政に対して強力にハッパをかけることと、普通の家庭が大丈夫と思っている日常にもリスクが潜んでいることを再認識して頂きたいという思いが込められています

 

)通報義務となると戦前の隣組み制度と同じ国民監視システムになると思います。

これは善意以上に大きな問題性を含んでいると思います。

この条例改正案は撤回又は廃案にすべきだと思います。

 

県議)禁止の例示ばかりが独り歩きして本意が伝わらなくなってしまっているので、本会議の採決までに新たな発信があるかもしれませんので、もう少しお時間を下さい。

ーー

以上です。

 

2023年3月12日 (日)

「小さな抵抗 戸山恢個展」に寄った

 

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電気代一時不払いプロジェクトの仲間の

「小さな抵抗 戸山恢個展」に寄った。

定規を使って鉛筆で線を何本も何本も書くだけのアートです。

空白などが配置され線の集合の形が全体では何かを表している。

訪問は前回に続いて二回目ですが、今日がフクシマ原発事故12周年の日でもあり電気代一時不払いよく見ると10年間の東電の領収書が並べられてあった。

この展示は説明がないと誰も分からないと思ったが電気代の値上がりの歴史でもあった。特に去年末から2月に向けて倍増していた。(これは我が家も同じです)

 

絵は買ってくれる人もいるようだが会場費19万円に到達したことはないようだ。

「チェチェンからウクライナを考える」という大富亮さんの論文と「ウクライナで何が起きているのか」という志葉玲さん林克明さん杉原浩司さんの講演論と共産党国際部の人が置いていったという山城博明さん沖縄の自然のカレンダーを頂いた。

 

「チェチェンニュース」を2001年から発行し最近500号を迎えたという。

 

「チェチェンからウクライナを考える」の中にこんなことが書かれていたのに驚いた。

それはチェチェン独立派初代大統領ジョハール・ドウダーエフの1995年の次の言葉だ。

「国際社会はチェチェン民族の基本的人権、自由、生命の保護を拒否している。ロシアの内部問題として少数民族虐殺の事実から顔を背けようとしている。・・その代償を西欧は後に払うことになるだろう。ロシア主義の矛先はウクライナなど西へ向かい、西欧へも及ぶものだからだ。その時になってヨーロッパをはじめ世界は事態の深刻さに気づきあわてふためくだろう。」

彼は翌年ロシアに暗殺されているが事態は彼の予言のままになっている。

大富さんはこう書く。

「チェチェンで起きたことを知っていれば、ロシアが今のウクライナで何をしているかがよく分かるし、逆にチェチェンのことを知らずにウクライナを語れば、判断を誤りフェイクニュースの拡散を手伝ってしまいかねない。」

--

以下個展の案内です。

3月〜12日に、トキ・アートスペースで個展を開催しています。

http://tokiart.life.coocan.jp/2023/230307.html

 

ご用とお急ぎでない方は、ぜひお立ち寄りください。

 

3.11ウィークですので、もちろん、電気代不払いの作品も展示します!

 

展覧会のタイトルは、「小さな抵抗」ですが、今回の隠れたコンセプトは、「充填」であります。

一つの大きな壁を、薄くて軽い材料で、充填してしまいたいという衝動を、形にしてみました。それには、反復的な行為の集積が必要だったのですが、そこが、この11年間の原発への抗議活動と

通じるものがあるような気がして・・・

 

何卒ご高覧ください。

 

 

「小さな抵抗 戸山恢個展」 

37日(火)〜12日(日)12時〜19時 最終日17時まで

 

"Small Resistance" Koyama Kai Art exhibition

7-12 March 2023 TOKI Art Space (Gaienmae, Tokyo)

 

トキ・アートスペース

東京都渋谷区神宮前3-42-5サイオンビル1F 03-3479-0332

 

https://goo.gl/maps/knyVDAbAdF7896CW6

 

行き方:東京メトロ「外苑前」駅3出口を出て信号を渡って直進し「The AOYAMA GRAND

Hotel」の交差点を右折して直進し「らあめん花月嵐」の角(原宿幼稚園前の交差点)を右斜めに入り、右側にある「原宿幼稚園」の隣の「サイオンビル」の前で下を見る。徒歩6分。

2022年7月 6日 (水)

最低賃金をめぐる議論

私の202276()

「どこまで行っても明日がある https://www.facebook.com/groups/tsunagukai/permalink/4695886537178666/?mibextid=GYD0DyFacebookの記事に対してコメント欄で論争になっている。

一部を記録します。

Qが某氏でAが私です。

ーー

Q最低時給の1,500円へのアップは雇用側のハードルを上げると共にビジネス拡大のチャンスを縮小させます。

結果として日本国内では少ない働き口を大勢で争う事になります。

経済全体を見ない愚策です。

A 中小企業への援助とセットでやれば企業の負担にはなりません。むしろ景気が良くなり企業にもメリットがあるでしょう。 

ーー

以下引用です。

ドイツ、イギリス、米国は時給1500円程度への引き上げを打ち出しており、「日本は立ち遅れている。企業の支払い能力ありきの政策や地域間格差をつけるランク制度をただすべきだ」

 

https://www.jcp.or.jp/akahata/aik21/2022-02-11/2022021105_03_0.html

Q それは需要と供給のバランスという自由経済の根本を覆す行為です。

貴方は日本の社会主義化をお望みですか?

それが駄目な事はソ連崩壊で歴史的に証明するされております。

A 主要国は皆最低賃金を大幅に引き上げています。皆社会主義国ではありません。アメリカは日本の倍になろうとしています。日本だけが930円というのは自民党政治の失敗です。

以下引用です。

 

世界的な物価高騰の中、イギリスは4月に9・5ポンドへ、フランスは5月に10・85ユーロへ、ドイツは10月に12ユーロへ、米ロサンゼルス市は7月に16・04ドルへと、日本円に換算すると1500円弱~約2000円相当にまで最低賃金を引き上げますが、日本では2021年の全国加重平均で930円にとどまっています。https://www.jcp.or.jp/akahata/aik22/2022-05-08/2022050804_05_0.html

Q 各国が実際に引き上げを行い更にその結果が出てから言って下さい。

A 各国が上げ日本だけが上がってないのは事実です。こう言う事実を認めずに自民がいいという人の気が知れません。

参考までに志位さんのツイートです。

https://twitter.com/shiikazuo/status/1534470099310362625?s=21&t=W3tK-dbmWV6fihyFVKh23A

Q まだ上げてませんがなにか。

A これを見ても日本より低いというのですか?https://www.jil.go.jp/foreign/labor_system/2022/special/no.239.html

Q 私が日本の最低時給が高いとか安いとか一言でも言いましたか?

どうして勝手な方向に話しを持って行こうとするのですか?

A では日本がダントツに最低賃金が既に低いということは認めているわけですね。

Q 誰もそんな話しはしてないでしょう。

「最低時給の大幅アップは労働需要を縮小させ雇用側のビジネスチャンス拡大を阻止します。」

「公的資金による雇用補助は需要と供給のバランスという自由経済の根本に逆らうもので社会主義思想です。」

私のコメントはこれだけです。

どうして外国が関係するのですか。

A では社会主義国でない多くの国がなぜ最低賃金を大幅に上げているのですか?

Q 外国は外国です。

日本には関係ありません。

A 世界の中の日本です。日本だけで存在出来る訳ではありません。

 

人間らしく生きるには日本の労働者は時給1500円以上は必要です。

以下全労連の調査結果です。

最低生計費試算調査は、これまで比較可能な地方の調査として 18 都道府県でおこなわれました。若者が一人暮らししながら、人間らしく生活するには、月 22 万円~24 (税込み)の収入が必要で、時間額にすると 1300 ~1600 ( 150 時間労働) 要との結果が得られた。

 

https://www.zenroren.gr.jp/jp/zenrouren-taikai/data/gian-001.pdf

Q 人間らしい生活って具体的に何ですか?

何を基準に誰がどう測るのですか?

定量的にお答えください。

A ここに書いている通りです。全部読まれてますか?

あなたは時給1500円以下で十分人間らしい暮らしが出来ますか?

Q 最低時給は主婦のパートにも学生バイトにも適用される事です。

親の金で学ぶ大学生がバイトで稼ぐ自分の小遣いや、主婦がママ友仲間と楽しむ豪華ランチの代金が多少減ろうが増えようが「人間らしい生活」の境界とは思えません。

そもそもその「人間らしい生活」の具体的定義は何なのか教えてください。

引用ばかりしないで貴方ご自身のお言葉でお願いします。

私はいつでも自分の言葉で語ります。

他人に頼ったりしません。

A 村松 ゆう さん 主婦や学生は給与が安くていいという考えは差別的思想です。

人間らしい暮らしとは憲法25条に定められた健康で文化的な最低限の生活を営めることだと思います。

具体的には定職があり、望むなら配偶者があり雨風を防げる住居に住み、最低限の清潔、衛生を保ち、暑さや寒さもしのげる状態。

それに加えて、十分な量で栄養のとれた食事ができることでしょう。尚且つ楽しみや張り合いや幸福を感じることが出来ることでしょう。

あなたはどう思いますか?

Q いったい誰が主婦や学生はは給与が安くていいなどどう言いましたか?

出鱈目もいい加減にして下さい。

憲法25条に貴方の言われるような事は書かれておりません。

貴方の勝手な創作です。

A 日本国憲法(昭和二十一年憲法)25

1 すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。

2 国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上

及び増進に努めなければならない。

ーー

憲法25条は国民の「権利」を保障し国の法的義務を定めたものである

生活保護法 国民年金法 に憲法25条が根拠であることが明記されています。

 

最低賃金法にも「健康で文化的な最低限度の生活」という表現が用いられています。

他に公営住宅法、母子及び寡婦福祉法、ホームレスの自立 の支援等に関する特別措置法等において「健康で文化的な生活」という用語を用いています。

私の上げた内容は私の思う憲法25条の具体的な内容です。これ位は国は全国民に保障しなければ「健康で文化的な生活」を保障しているとは言えないでしょう。

時給930円で月給15万にも満たない状態はそれを満たしているとは言えないでしょう。

貴方はこう書いています。

「親の金で学ぶ大学生がバイトで稼ぐ自分の小遣いや、主婦がママ友仲間と楽しむ豪華ランチの代金が多少減ろうが増えようが「人間らしい生活」の境界とは思えません。」

これは「主婦や学生は給与が安くていい」ということではないですか?

全国一律最低賃金1500円は日本を守る為に急務の課題です。

Q 先ずは私が主婦や学生は低賃金でいいと言ったかのような嘘について逃げずに謝罪しなさい。

話しはそれからです。

A  「親の金で学ぶ大学生がバイトで稼ぐ自分の小遣いや、主婦がママ友仲間と楽しむ豪華ランチの代金が多少減ろうが増えようが「人間らしい生活」の境界とは思えません。」

というのはそういう風にしか取れないのですが。

Q 貴方の勝手な解釈だ。

男らしく素直に謝りなさい。

言い訳は見苦しい。

A では差別としか取れない貴方の発言を取り消して下さい。

Q 差別発言などしていません。

生活に逼迫せずとも休職する者があるという例に過ぎません。

貴方が差別だと言ったのです。

謝りなさい。

それともまた「ブロックするぞ」で脅しますか?

A この発言を撤回する気はないのですか?

Q 何処かどう差別なのか私が納得出来るよう論理的にご説明下さい。

A  「親の金で学ぶ大学生がバイトで稼ぐ自分の小遣いや、主婦がママ友仲間と楽しむ豪華ランチの代金が多少減ろうが増えようが」というのは最低賃金の例外があってもいいということではないですか。

Q 最低賃金に例外なんてあっていいわけがありません。

それは規定されている琴です。

A では「大学生や主婦」発言は撤回ですね。

Q どうしてですか?

生活に逼迫していない例えとして出したものです。

主婦や学生皆がそうだとは言っておりません。

A では主婦や学生バイトがいるから最低賃金は930円のままでいいというお考えですか?

2021年11月11日 (木)

「共闘勢力」比例も議席も前進

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1111日赤旗3面の記事からです。

ーー

政党間の力関係 4年でどう変わった?

「共闘勢力」比例も議席も前進

20211111日【3面】

市民と野党 積み重ねの成果示す

 日本共産党の志位和夫委員長が10日の国会議員団総会で明らかにしたように、今回の総選挙で自民、公明の「与党勢力」は、前回総選挙(2017年10月)の結果と比べると比例得票数を増やしたものの議席数を減らし、一方で共産党や立憲民主党などの「共闘勢力」は比例得票数でも議席数でも前進しています。今回の総選挙について、公示前勢力との比較だけで「自民勝利、維新躍進、共闘惨敗」などと伝える報道もありますが、冷静に結果を見ることが必要です。

 志位氏は、政党の政治的立場を、「与党勢力」、「与党の補完勢力」、「共闘勢力」の三つに分類し、前回総選挙と今回総選挙の結果を比較した数字を明らかにしました。

「与党勢力」 比例票増も議席減

 「与党勢力」――自民党と公明党は、比例得票数で2553万票から2703万票に150万票増やしていますが、議席では310議席から291議席に減らしています。これは今回の総選挙での野党共闘による候補者一本化によるものにほかなりません。

「補完勢力」 比例票も議席も減

 「与党の補完勢力」は、その全体では比例得票数を1306万票から805万票に減らし、議席数を61議席から41議席へと減らしています。

 前回総選挙では、選挙直前に小池百合子都知事が突然結党した希望の党が存在していました。希望の党は「安保法制の容認」「9条を含む憲法改定」を政治的主張の要としており、日本共産党は、当時、「与党の補完勢力」と見定めて、正面からたたかいました。希望の党に所属した個々の政治家は、その後、立憲民主党に合流し、日本共産党とも協力している人が少なくありませんが、希望の党という政党の性格は「与党の補完勢力」そのものでした。この党は、前回総選挙で比例代表で968万票を獲得し、50議席(比例32、小選挙区18)を獲得していました(その後すぐに失速・分裂し、18年5月に解党)。

 維新の会は、今回の総選挙で得票と議席を伸ばしましたが、「与党の補完勢力」の全体では、比例得票数も議席数も後退させたのです。

 そして「共闘勢力」は4年前、共闘してたたかった共産党、立憲民主党、社民党の合計と、今回共闘してたたかった、この3党とれいわの合計で比較してみると、比例得票数で1643万票から1889万票に246万票増やし、議席数で68から110議席に42議席増やしています。

 前回と今回の総選挙の結果を比較すれば、さまざまな困難や逆流をのりこえて、この4年間、国会や地域などで取り組まれた市民と野党共闘の努力の積み重ねの確かな成果が示されているのです。

ーー

まとめると

1、「与党勢力」 比例票増も議席減

2、「補完勢力」 比例票も議席も減

3、「共闘勢力」比例得票数で246万票増 議席数で42議席増

 

記者会見での志位委員長の回答によれば国民民主党はこの三つのどこにも分類されてないようです。

以上

 

2021年11月10日 (水)

「ものを言う」 国境なき医師団

 

20211111()

「ものを言う」 国境なき医師団

大津留公彦

 

昨日の動画

変革しよう 解釈でなく

https://www.facebook.com/kimihiko.ootsuru/videos/419298892978652/?d=n

 

国境なき医師団

日本に作りしフランス人

「無関心が人を殺す」

 

「ものを言う」

国境なき医師団ファウンダー

国連や赤十字には一切頼らないと

 

「抵抗はある方が人生面白い」

国境なき医師団

唸らせる言葉

 

こう言う人生は

考えてもいなかった

国境なき医師団主婦が日本代表

 

軍事介入で

ルワンダの大量虐殺を阻止

ノーベル平和賞MSF

 

半分は医療関係者以外

いとうせいこうも

「自分でも何か出来る」と

 

MSF

「だから私たちは声をあげる」

医療の世界に国境はない

 

50年前に

わずか13人で創られた

国境なき医師団に心惹かれる

 

アナザーストーリーズ 運命の分岐点

https://www.nhk.jp/p/anotherstories/ts/VWRZ1WWNYP/episode/te/2JGL6MG8LK/

 

国境なき医師団50年記念番組

https://youtu.be/-KP5CVtHles

 

2021年11月 9日 (火)

「自民大勝、維新大躍進、野党共闘失敗」は大嘘

高知の吉良富彦県議の統計分析に触発されました。

吉良富彦さんのFacebookからです。

………………………………………………

ホント?

自民大勝、維新大躍進、野党共闘失敗って

ーーー

憲法改悪推進政党

【自民党】

2012292議席

2014291議席

2017284議席

2021261議席

前回から23減。長期低落傾向で、スガの表紙を変えなければ大負けしたはず。

【維新】

201251議席

201441議席

201711議席

202141議席

前回、西は維新、東は希望の党と調整し11議席に激減してたのが、希望の党が消えたので元に戻っただけ。

市民と野党共闘の政党

【立憲民主】

201257議席(民主)

201473議席(民主)

201755議席(立憲民主)

202196議席(立憲民主)

今回は小選挙区、比例とも伸ばし96

立憲110議席だったとの報道数は2017年の選挙後に国民、無所属等と合流してできた合計議席数で前回選挙時の所属党派名は違っている。

【共産党】

20128議席

201421議席

201712議席

202110議席

小選挙区で候補者を殆ど出さず、市民と野党共闘候補必勝に全力、比例で議席確保。

【野党共闘】

201770議席

立憲55+共産12+社民2+れいわ1

2021110議席

立憲96+共産10+社民1+れいわ3

今回の選挙で立憲主義の野党共闘議席は40議席増えている。政権への共闘は始まったばかりだけどちゃんと前進しており失敗ではなく成功したと言える。

ちなみに、野党共闘小選挙区62議席勝利し、前回敗れていた24選挙区でも競り勝っている。

また、あと一踏ん張りしたら議席に届いた選挙区(惜敗率90%以上)の小選挙区が33あった。

この流れをさらに太く大きくすれば、化石の様な政治は変えられる

ーーー

引用は以上です。

歴史的に見れば維新は2012年の51から2014年と同じ41に戻しているだけ。

立憲野党としての合計では勢力を大幅に拡大している。

はっきりですね。

 

共産党は独自に闘った方が議席が増えるのではないかと言う人がいた。

比例区中心の議席の現実を考えれば確かにそうかもしれない。しかしそれでは政権交代は出来ない。

野党共闘しなければ自公政治をやめさせる事はできない。

「見返りは民主主義」と言う素晴らしい犠牲的精神はきっと国民に受け入れられる時が来る。

 

共産党は政権交代を言い過ぎたと思うという人がいた。

しかしマスコミの自民党の議席予測に中には210というものもあった。

もしそうなっていれば過半数の233には23足りなかった。政権交代の現実的可能性は確かにあったのだ。

逆に立憲民主党画像政権交代に本気で無かったことは国民に見抜かれていた。

私の知人に枝野さんが志位さんを30分も待たせ結局写真を撮らずに帰ってしまった事に非常に怒っている人がいた。

 

立憲民主党の代表がはっきりと共産党との共闘路線に立つ立場の人になって頂き野党連合政権を目指してほしいと思う。

以上3c4f70178e774e9891fc4c6e18ecc19f

なお吉良富彦さんは吉良佳子参議院議員の父君である。

2021年11月 6日 (土)

全国一律比例代表制なら今回政権交代が起こっていた?

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銀座のライオン

2021衆院選で共通政策を持った4党(立憲民主・共産・社民・れいわ)の合計票は1887万票で自民の1991万票とほぼ等しい

政策的に近かった国民民主党も入れると2146万票で自民党を上回る

したがって全国一律比例代表制であれば自民党は少数政党になっていた。

但し全国一律比例代表制なら今回政権交代が起こっていたかというと公明党というつっかえ棒がいるのでそれを足すと2702万票となり野党はやはり追いつかないことになる。

しかしもっとすっきりした野党共闘体制が出来れていればこれ位の差をひっくり返すような風が野党に吹いただろう。

自民党の相対得票率は34.7%だが、絶対投票率は19%でしかない。

2割以下しか得票を得てない政党が2012年以来政権党であり続けている。

小選挙区制と制度のおかげで自民党は生き延びている。

ーー

関連する記事を紹介します。

夜明け前の独り言 弁護士 水口洋介

2021年総選挙に思う 衆院比例区の分析から引用する

ダウンロード - 2021e8a186e999a2e981b8e59084e5859ae6af94e4be8be5be97e7a5a8.pdf

 

■実は比例区では負けてない立憲民主党

 

上記表を見れば、立憲民主党は、2018年総選挙よりも、比例区は得票数・率とも増えている(20%で1149万票)。国民民主党も4.5%で259万票を獲得している。

 

立民・国民両党の合計では、24.5%で1406万票であり、民主党下野後の最高得票なのである。(2009年の民主党の42.4%、2984万票が特別の異常値だった)。

 

共産党は7.2%、416万人で実はずっと変わりがない。社民党も長期低空飛行で傾向が変わらず(今回よくもったというのが正直な感想)。そして、立民+国民+共産+社民を合計すると33.5%と1925万票で、今回の自民党比例票に匹敵する。これに「れいわ」が合流すれば逆転である。もっとも、そうなれば、自公に維新がつくだろう。

 

■立憲民主党は小選挙区でなぜ負けたのか(勝てなかったのか)

 

では立憲民主党は、小選挙区で共産党と議席調整したにもかかわらず、なぜ勝てなかったのか。

 

共産党との共闘の結果だ(中道や保守系が離反した)との説がある。

 

しかし、立憲民主党は、前回と比較して、比例区の得票率も得票数もわずかだが増えている。もし、共産党との共闘が嫌われたのであれば、比例票も国民民主党にもっと流れたはずである。国民民主党の比例票はおそらく前回希望の党を支持した層から来たものと推定できる。維新に投票する人の多数派はもともと反労組(特に強固な「反官公労」)の立場なので、立憲民主党にはいれないだろう。

したがって、データ上は「共産共闘敗因説」は成り立たないのではないか。少なくとも大きな要因ではないだろう。

 

今回は維新が比例区で14%、805万票を獲得した。前回2017年総選挙では6.1%、338万であったので躍進である。ただし、前回2017年は希望の党があり、17.4%で967万票を獲得しておりそのあおりで減らした(だから新党ブームのあだ花だと東京にいる私は思っていた)。前々回の2014年総選挙では維新は15.7%で832万票だから、希望の党が消滅したため、もとにもどったともいえる。

 

維新は、大阪を中心に近畿で小選挙区で躍進し、全国各地でも小選挙区で存在感を示し、比例区票も獲得した。この政党は、自力をつけた。もはや新党ブームのあだ花でなく、今後も有力政党になるであろう(私個人では、およそ賛成できない政策・体質だが、それはそれとして)。

 

立憲民主党が小選挙区で勝ちきれなかったのは、維新の躍進・復調に足下をすくわれたと言えるのではないか。

 

「れいわ」も、3.9%と221万票と健闘した。これも前回に希望の党に投票した人が、清新さを求めて、「れいわ」に投票した方が多かったのではないか。

 

前回希望の党にいれた17.4%の有権者の8%が維新に、4%が「れいわ」に、3.9%が国民民主党に投票したにではないか。その意味で立憲民主党は、希望の党にいれた中道右派層を獲得できなかったといえよう。この点で維新とのたたかいに破れたのではないかと思う。

 

こう考えると、立憲民主党は、維新や「れいわ」に比較して、新鮮さや清冽さ、党首の魅力、政策がリベラル岩盤層向けの規範主義的理想論(優等生的・学校的あるべき論)を並べ立てて現実の生活感覚から乖離したから、小選挙区で勝ちきれなかったと個人的に思う。言い換えれば、構造的な原因や共闘路線の失敗ではない。

 

立憲民主党の戦略的なパフォーマンスと政策提言の向上で勝機はあると思える。来年の参議院選挙までに立て直せるか?

ーー

立憲民主党の誰が党首になろうと幹事長になろうと野党共闘路線を継続し強めていかなければ日本の歴史を変える存在にならないだろう。

以上です。

 

今回の選挙結果は、「連合の政治崩壊」

大前純一さんのFacebook記事から要約して紹介させて頂きます。

 

今回の選挙結果は、「連合の政治崩壊」ではないか。

 

https://blog-imgs-144.fc2.com/j/u/n/junskyblog/Ohmae_Junichi_20211103-02.jpg

 

 前回2017年総選挙と、今回の比例区の政党別得票数を比べてみると「敗北」したことになっている立憲は、ほぼ変わらぬ1,100万票を獲得。実は負けてはいない

 

 大きく変わったのは、960万票の希望の党がなくなったことだ。

 

 その1,000万近い票は、今回、希望の党を引き継いだ国民民主党には260万しかいかず、700万票が行く先を失った。

 党派別得票数を見るとその行き先がよく分かる。

 自民100万増、れいわ200万増、そして維新450万増と、まったく方向性が違うあちこちに分散してしまった。

 

 奇しくも、連合の組合員数700万と同じ700万票が、極端なリベラルから保守、そして改憲・格差容認勢力へとばらけてしまったのだ。

 

 これでは、連合は組織体として政党相手に交渉はできない。組織として政治方針を共有することが出来なくなってしまった。

 

 芳野友子会長が「組合員の票が行き場を失った」と立憲を批判したのは、ほかでもない、自分自身の組織が崩壊したことを一番痛切に感じたからだろう。

 ただ、その問題は、立憲のせいではなくて、連合そのものの問題なのだ。原発推進の電力総連を抱えているからといって、原発問題そのものに向き合わないような、身内の論理だけが通っている組織。それは「既得権益」の擁護そのもの。

 自分たちの権利擁護に見える身内の論理に追い込まれ、全体状況では、労働者の最終分断に成功した自民党・財界の高笑いが聞こえるではないか。

 今回の選挙は日本の労働運動の最終敗北地点なのだ。

 そう理解すれば、政治の次が見えてくる。

ーー

 

ーー

大前さんは次に別の記事で小選挙区についても分析している。

 

この図表に関する大前純一さん御自身のコメント

大前 純一: 113 1:26

 

 今回の総選挙、選挙区は紙一重、の勝負だった、のではないか。

 

 立憲候補は、選挙区で1700万票を獲得している。比例区の立憲票1,100万に、比例区での共産支持層から150万、れいわから200万、社民から70万、国民から100万などを集めている。

 ここまでで、520万増。そして、維新支持層も選挙区では自民にいかずに、立民に100万近くは来ている可能性もある。

 

 前回失速したとはいえ希望の党が1,100万を集めたどころではない、大結集に成功しているのだ。

 

 しかし、小選挙区ならではの、差は詰めたが1位にならないといけないレースで及ばなかった。

 

 自民党は2,800万票で48%の得票率、立民は1700万票で30%。なのに、選挙区では189議席と57議席。自民党は票数を5割の上乗せしただけで3倍の議席を獲得している。

 

 前回、自民がほぼ同じ47.8%の得票で215議席を得ている。その自民から26議席を引きはがせたのは、この立民票への集結があったからだろう。あと一歩だったのだ。

 

 小選挙区で勝つには、11で力を合わせなければ無理だ。

 

 多党の時代、とかいう解説もあるが、多党をすくい上げる選挙制度でない以上、11の構図を作ることでしか、うそとそん度とごり押しの政治は変えられない。

ーー

この記事についてのJUNSKYさんのブログでの見解

 

http://junskyblog.blog.fc2.com/

 

ーー

以下は、この投稿を見ての私の感想

元朝日新聞:大前純一さんが野党共闘が果たした効果を分析。

 

それによると立憲民主党の得票は

選挙区全体では 4,726,326(2017) 17,215,621(2021)

と約1,250万票増。

比例区全体では 11,084,890(2017) 11,492,115(2021)

104%(同程度)の成績。

そう言う意味で、野党共闘がなければ立憲民主党の

当選者は半減したかも知れないと言う分析。

 

この表では、共産党は選挙区では候補者が半減した

こともあり得票数も半減しているが、比例区では

一部立憲民主党などに票が流れながらも2017年比で

95%4,166,0764,404,081)を確保している。

 

小選挙区候補を半数にして立憲民主党候補の応援に全力を尽くし

共産党員の殆どと共産党支持者の相当部分が候補者統一区では

立憲民主党候補に投票した訳であり、選挙区の日本共産党票の

合計が半減するのは当然で、その中で比例代表得票をほぼ維持

したことは健闘したと言えるかも知れない。

ただ、目標の半分の結果であったことも厳然たる事実である!

ーー

 

大津留公彦の意見

今回の選挙はインターネットアンケートを行った朝日新聞のみが議席予想が近かったと言われている。インターネットを使った手法で若者の動向を掴んだのかもしれない。

しかし自民大勝予想データのみの記事に投票に行こうとする人の意欲を削がれたのかもしれない。一月万冊で佐藤章さんが指摘したように朝日新聞の主張が無くデータのみの記事で投票を呼びかけるものでも無かった。

このデータ分析も朝日はデータの提供しかしてないので大前純一さんがやらざるを得なかったのだろう。

大新聞のこの現実は大前さんのような市民メディアの役割を求めている。

野党共闘は政権党を倒すには必須です。

今こそ政権交代を始めよう!

私の他の記事も参照下さい。

 

【「野党共闘は失敗した」というのは事実とは違います】

 

https://ootsuru.cocolog-nifty.com/blog/2021/11/post-f15e98.html

 

維新政治の本質―その支持層についての一考察―

 

https://ootsuru.cocolog-nifty.com/blog/2021/11/post-1479d1.html

 

ーー

以下参考記事

自民党大物落選続いた衆議院選挙

・石原伸晃政治家引退!?甘利幹事長辞任!

なぜ、野党共闘は不発と言われるのか?マスコミの怠慢!

元朝日新聞・ジャーナリスト佐藤章さんと

https://youtu.be/Ktxrq9zleHs?t=421

 【一月万冊】清水有高-2021114日(木)

 

 

2021年11月 5日 (金)

維新政治の本質―その支持層についての一考察―


この論文は維新の支持者の分析として的を得ていると思いますので全文紹介させて頂きます。

総選挙の前に書かれた論文ですが納得性があります。

ーー

維新政治の本質―その支持層についての一考察―

  • 冨田 宏治(とみだ こうじ)
  • 関西学院大学法学部教授

維新政治の本質とは、大阪に広がる貧困と格差を「分断」へと転化させ、中堅サラリーマン層の弱者への憎悪の感情を組織化し、その「分断」を固定化したものだったのではないでしょうか。

「自業自得の人工透析患者なんて、全員実費負担にさせよ!無理だと泣くならそのまま殺せ!今のシステムは日本を亡ぼすだけだ!!」

維新政治の本質について考察する本稿の冒頭に、長谷川豊氏のこのおぞましくも衝撃的な発言を掲げることにしましょう。長谷川豊氏といえば、フジテレビの局アナからフリーランスになり、この発言を表題に掲げたブログ記事(2016年9月19日付)の炎上をきっかけにテレビの世界から姿を消しました。しかし翌年10月、衆議院議員総選挙に日本維新の会の公認候補として、千葉一区および比例南関東ブロックから立候補し、みじめな敗北を喫したことは記憶に新しいところです。

本稿の冒頭になぜこの発言なのか。それはいうまでもなく、「人工透析患者を殺せ」というこのおぞましい発言こそが、維新政治の本質を何よりも雄弁に物語っているからです。千葉一区では、1万5000票余りの得票で供託金没収に終わった長谷川豊氏でしたが、大阪をはじめ各地の多くの維新支持者がこの発言に喝采を送ったことは間違いありません。長谷川氏が大阪府内の選挙区に立っていれば、当選していた可能性も否定できません。いかなる人びとが、どのような思いから、このような発言に喝采を送り、このようなおぞましい発言をする人物を公認候補として押し立てる「維新の会」なる勢力を支持するのでしょうか。そしてその背景には、維新政治が跋扈する大阪という街のどのような現実が横たわっているのでしょうか。本稿の課題は、このような問いに答えながら、維新政治の本質に迫っていくためのささやかな試みにほかなりません。

維新支持層のメンタリティー

最初に、冒頭に掲げた長谷川豊氏の発言を手掛かりに、こうした発言に喝采を送り、こうした人物を公認して憚らない「維新の会」を支持する維新支持層とは、いかなる人びとなのかについて考えてみたいと思います。

維新支持層については、橋下徹氏が自ら語った「ふわっとした民意」といったイメージや、ある種の都市伝説と化した「格差に喘ぐ若年貧困層」の支持という幻想が、いまだ払拭されきれていないように思います。しかし冒頭の長谷川発言からは、こうした発言に共感し、喝采を送る維新支持層の現実の姿が浮かび上がってくるのではないでしょうか。

そこに浮かび上がってくるのは、「格差に喘ぐ若年貧困層」などでは決してなく、税や社会保険などの公的負担への負担感を重く感じつつ、それに見合う公的サービスの恩恵を受けられない不満と、自分たちとは逆に公的負担を負うことなくもっぱら福祉、医療などの公的サービスの恩恵を受けている「貧乏人」や「年寄り」や「病人」への激しい怨嗟や憎悪に身を焦がす「勝ち組」・中堅サラリーマン層の姿にほかなりません。

彼らの思いを理念型的に描き出してみましょう。

彼らは、大阪都心のタワーマンションか郊外の戸建て住宅に暮らし、かなりの額の税金、社会保険料、介護保険料、年金などを負担しながら、医療、子育て、福祉などの公的サービスの恩恵を受ける機会は必ずしも多くありません。彼らは日頃からジョギング、アスレチック・ジムなどで体を鍛え、有機野菜や減塩レシピなど健康に留意した食生活を送っており、医療機関にお世話にならないよう自己管理を怠りません。ですから、飲酒や健康によくない食生活など自堕落な生活の果てに自己責任で病気になった「自業自得の人工透析患者」たちが、もっぱら自分たちの負担している健康保険によって保険診療を受け、実費負担を免れていることに強い不満と敵意、さらには怨嗟や憎悪すら抱いています。だいたい大阪の街の「地べた」にへばりつくように住んでいる、「年寄り」「病人」「貧乏人」は、税金も、社会保険料も、介護保険料も、年金もほとんど負担することなく、もっぱら彼らの負担した税金、保険料、年金をシロアリのように食いつぶしつづけています。さらにそれを管理する公務員たちも、高給を取るばかりか、さまざまな無駄遣いや不正を働きながら、労働組合運動まで行なって、この食いつぶしに加担しています。少子高齢化による医療、福祉への公的負担の激増により国や府の財政危機が進むなか、このままでは日本は滅びかねません。そうしたなか、「身を切る改革」と「官から民へ」のスローガンを掲げ、自己責任と市場原理主義にしたがって、閉塞した現在のシステムを打ち壊そうとしてくれている「維新の会」は、自分たちが希望を託せる唯一無二の改革勢力にほかならない、といったようなところでしょうか。

こうして見てみると、「勝ち組」・中堅サラリーマン層が、長谷川豊氏のおぞましい発言に共感し、こうした人物を候補に担ぐ「維新の会」を熱烈に支持する感情も、(決して同意できないとしても)理解不能ではありません。長谷川豊氏のおぞましい発言は、「ふわっとした民意」とか「格差に喘ぐ若年貧困層」の現状打破の期待とか、いろいろと語られてきた維新支持層の実態が、こうした議論とはかなりかけ離れたものであることにあらためて光をあててくれたのではないかと思います。

こうした維新支持層の登場は、大阪における貧困と格差の拡大が、「勝ち組」・中堅サラリーマン層と「年寄り」「貧乏人」「病人」といった社会的弱者=「負け組」とのあいだのあからさまな「分断」へと至っていることを現しているのです。

大阪における格差と「分断」

問題は、なぜもっぱら大阪の街において、このような感情をもった維新支持層が多数現れるに至ったかということでしょう。

写真は、この点について、重要なヒントを与えてくれます。大阪市内に林立する高層タワーマンションとその真下の「地べた」にいまだ残存している文化住宅とのコントラストです。坪300万円超の新築高層タワーマンションが即日完売するという大阪市内ですが、その足元には相変わらず長屋タイプの木造家屋が残され、そこには「年寄り」や「貧乏人」のささやかな暮らしが現に営まれています。筆者の暮らす都島区では、都島自治体学校の取り組みのなかで、高層タワーマンションと文化住宅が隣接する地域では、下水道整備がおろそかにされているため、大雨が降ると「地べた」の長屋のトイレが逆噴射するという事態が報告されています。

高層タワーマンションとその真下の文化住宅
高層タワーマンションとその真下の文化住宅

大阪の街では、小泉構造改革以来拡大しつづけてきた貧困と格差が、まさにこのような目に見えるかたちで展開しているのです。貧困と格差のコントラストをここまで明白に見ることのできる街は大阪以外にはないのかもしれません。

先に述べたように大阪市内の都心部では坪300万円超の高層タワーマンションが即日完売するそうです。しかしその一方で、深刻な貧困の実態も報告されています。とりわけ大阪府の子どもの貧困率は、2012年のデータに基づく山形大学・戸室健作准教授の分析によれば、21・8%(全国平均13・8%)と沖縄県につづいて全国ワースト2となっています。大阪府が2018年4月に発表した「子どもの生活に関する実態調査」の結果についての大阪社会保障推進協議会による分析からも、“学校のない日に昼ご飯を食べられない子ども”が全体の約20%に上っていることも報告されています(『子どもの貧困を考えるネットワークニュース』2018年2月号)。こうした子どもの貧困が、母子家庭の貧困をはじめ、大人の貧困の反映であることはいうまでもありません。

子どもの貧困は、学校現場の荒廃や学力低下の問題にもつながっています。2018年春の全国学力テストの結果、大阪市が小中共に2年連続で政令市中の最下位になったのもその現れでしょう。吉村洋文市長は、この責任を現場教師に転嫁して、学力テストの結果を「校長や教員の人事評価とボーナスに反映させる」との暴言を吐き、物議を醸しています。しかしこれは、大阪の子どもたちが抱えている貧困に由来するさまざまな困難に目を閉ざす物言いでしかありません。

しかし問題は、こうした貧困と格差の拡大が、どうして維新支持層の感情に見られるような「分断」へとつながっているのかということでしょう。

その原因はいろいろと考えられると思いますが、もっとも大きな要因は、すでに見たような大阪特有の貧困と格差のコントラストでしょう。だれもがいや応なく貧困と格差の存在を意識せざるを得ないような明白なコントラストが大阪の街を覆っているのです。高層タワーマンションや郊外の戸建て住宅に住む維新支持層は、日々、「地べた」に住む「年寄り」「貧乏人」「病人」の貧しい暮らしを目にし、さげすみのまなざしをもって見くだしています。しかし企業内外に展開する激しい生き残り競争にさらされている彼らは、一つ下手を打てば、文字通り「地べた」の生活に転落しかねない不安定さを抱えているのです。こうした不安定さと「負け組」へのさげすみが相まったとき、社会的弱者への同情や共感ではなく、激しい敵意や憎悪が現れるのです。それは、米トランプ大統領を支持する白人労働者層が、黒人やヒスパニック、さらには移民に抱いているとされる排除と排斥の感情とも共通するものです。維新政治とトランプ政治を、「不寛容なポピュリズム」という本質を共有するものとしてくくることのできる所以はここにあります。

そして維新支持層の多くは、大阪の街に必ずしも強い愛着を抱いているわけではなく、「地べた」に暮らす貧困層や高齢者層とのあいだに地縁的な感情的絆をほとんど持ち合わせていないという点も指摘できるでしょう。痩せても枯れても日本第二の経済都市である大阪には、東京に本社を置く大企業の中堅サラリーマン層が全国から大量に赴任してきています。大阪の住民であるからといって、大阪の街に特別の愛着があるわけではないのです。大阪市の廃止をこそ本質とした「大阪都構想」は、「大阪市をなくさんといて!」という市民の声によって阻止されてきましたが、維新支持者にとって、「大阪市」はどうしても守り抜かれなければならないものではないのです。

最後に、こうした「勝ち組」・中堅サラリーマン層の感情を、希代のポピュリストというべき橋下徹氏が徹底的に煽り、怨嗟や憎悪へと転化させてしまったことも忘れてはならないでしょう。

分断の固定化

維新政治は、新自由主義的・市場原理主義的な政策を「身を切る改革」「官から民へ」のスローガンのもとで強行し、自らを生み出す条件となった大阪における貧困と格差をいっそう深刻化させてきました。また維新政治の一丁目一番地ともいうべき「大阪都構想」の住民投票も含め、府知事選、大阪市長選、堺市長選、その他の地方選、さらには衆参の国政選挙にくり返し挑むなかで、この「分断」を固定化し、維新支持層を強固に組織化してきたのです。この辺りの事情については、他稿でも論じてきたとおりです(『初歩から分かる総合区・特別区・合区』、自治体研究社、2017年7月、第一章などを参照)。

さて、全国政党としての「日本維新の会」と「維新の党」は、「大阪維新の会」を中核としながら、「太陽の党」や「結の党」などとの合併・分裂をくり返しつつ、現在に至っています。その比例得票は、2012年衆院選で1226万票、2013年参院選で636万票、2014年衆院選で838万票、2016年参院選で513万票、2017年衆院選では339万票と軒並み減少し、いまや全国政党としての衰退は目を覆いたくなるようなありさまです。

しかし問題は、大阪における得票の推移です。2014年衆院選と2017年衆院選とあいだには、市民と野党の共闘をめぐって大きな政治情勢の変化がありました。にもかかわらず、「維新の会」は大阪府内の各選挙区で、判で押したように同様な得票数をたたき出しているのです。少なくとも大阪府下に関する限り、維新の支持は減退していません。

衆院選挙区における維新の得票
表 衆院選挙区における維新の得票
(※は含守口市・門真市)

※「当」は当選を示す。
出典:大阪府選挙管理委員会ホームページから筆者作成。http://www.pref.osaka.lg.jp/senkan/date/index.html

政党間の配置の変化にもかかわらず、同様の得票をたたき出す。ここに維新政治が貧困と格差による「分断」を固定化し、「勝ち組」・中堅サラリーマン層を維新支持層として強固に組織化した実態が明確に姿を顕わしています。

大阪府下を中心に百数十人にのぼる地方議員を擁し、彼らに毎日数百本の電話というノルマを課す。こうした「モンスター的集票マシン」と化した「維新の会」の下、維新支持層は組織化され、固定化されてきたのです。

維新政治の本質は、冒頭の長谷川豊氏のおぞましい発言に見られるような、「勝ち組」・中堅サラリーマン層の怨嗟と憎悪の感情を煽り立て、大阪の街に広がる貧困と格差を「分断」へと転化させ、それを固定化するものにほかなりませんでした。こうした「維新政治」といかにして対峙すべきか、その問いは本稿の課題を超えています。他日に期したいと思います。



冨田 宏治

  • 冨田 宏治(とみだ こうじ)
  • 関西学院大学法学部教授

2021年11月 2日 (火)

共産党との連携が不十分だったのではないか?

立憲民主党枝野代表が辞任すると言う。

理由は共産党との連携の失敗だと言う。

共産党との連携が失敗だったのではなく共産党との連携が不十分だったのではないか?

62人の野党統一候補が勝った。

東京で立憲の当選者は4人から8人に倍増した。

野党共闘の大義と魅力を国民に伝え切れなかったことが立憲が伸びなかったことと維新の伸長の理由の一つでしょう。今の選挙制度で野党共闘をしないでどうして政権交代ができるのか?

never  give  up

今こそ政権交代を始めよう!

 

「オール沖縄は、県民の民意をしっかりと受け止めようとする形で?良い方向で変化しようとする動きをいつもとっている。どの勢力が、誰がいなくなったとかで、弱体化すると言うことはない」

赤嶺政賢

沖縄34区での「オール沖縄」の落選を受けて

https://www.fnn.jp/articles/-/263386

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