カテゴリー「教育」の記事

2019年10月19日 (土)

「教育と憲法 私たちの未来」前川喜平氏講演会

昨日10月18日は北千住東京芸術センター21階の天空劇場で行なわれた以下の講演会に参加した。

「教育と憲法 私たちの未来」
元文部科学省事務次官 前川喜平氏講演会
以下にメモを書きました。
本人の言葉として直接話法で書きましたが当日のメモなので正確でない所があるかもしれません。<>の中と最後の感想のみ私のコメントです。
ーー
はじめに
日本国憲法の眼目は個人の尊厳
そこから人は皆平等という思想が出る
個人が市民となり国家となる
人が先で国が後というのは人類普遍の原理
万世一系の天皇が先にあるという考えを國體(私はこの意味の時は国民体育大会と分ける為にこの字を使っている。)というがそれは戦前の考え。

憲法三原則(個人の尊厳から導き出される)は基本的人権の尊重、平和主義、国民主権
教育を受ける権利の下に学ぶ権利がある
猫の子は学校に行かなくても大人になれるが人間は学校に行かなければ大人になれない
自由権は国家権力に対して干渉を拒否する権力
学習権は精神的自由権
社会権は国に対して要求する権力(20世紀になって出て来た)
(憲法25条はマッカーサー草案に無かった)(ワイマール憲法にあった)(アメリカにない)(アメリカには銃を持ち歩く権利という18世紀型規定があり社会権規定がない)
憲法23条 「学問の自由はこれを保証する」(575になっている)
学問の自由は年齢に関係ない
学生発布 学問は身を立てる元手
憲法13条 包括的人権規定
教育基本法に「不当な支配に服することなく」という言葉がある。
戦前この法律が出来る時に対象は誰かと問われ立案者は「政治家と官僚」と答えた。
森有礼初代文部大臣(明治18年)以来学校教育は国の為だった。
戦後は主体的に学ぶということになった
憲法は変わったが学校の中の権利関係は残った。
臨時教育審議会答申はオープンな議論をしたので中曽根内閣の思った教育基本法変更路線には行かなかった。
内容
・個性重視
・生涯学習体系(学習という言葉を使った事が大事)
・変化への対応
個別には良くないものもあった。
(新任教師の日本一周洋上研修等)(楽しすぎて学生に戻っていると)(お見合い大会)
(この制度作ったのは後の加戸元愛媛県知事)
(自分が洋上研修担当課長の時に廃止した)

自由権としての学習権
自ら学び自ら考える力を付ける事が大事(アクティブラーニングも同じ考え)
知識を詰め込んではいけないというのがゆとり教育の精神
円周率が3になるというのは大手学習塾のデマ
(目当てを付ける為には3で足りるケースもある)
ゆとり教育で都道府県と県庁所在地の名前を全部覚えさせるという方針は変わった。
2007年全国学力テストの新自由主義の政治の力で出来た。(中山大臣)
全国一は初年度と二年度は香川だったが三年目は対抗心を燃やした愛媛県が一位
(不正まで出た)
数学より学力テストのない家庭科や保健の方が生活には役に立つ
(首長に酷い人が多かった(吉村元大阪市長など)
グレタさんはあなた達大人が私たちの未来を壊していると怒っている。

<ここでクレージーキャッツの歌 (学生節)を歌う>
「押し付け道徳さようなら あんたの知らない明日がある」
最近この歌は凄くいい歌だと発見した。<最後に音楽リンク先あり>

社会権としての学習権
戦前の「義務教育」は個人の国への義務
障害ある人は「就学免除」(「徴兵免除」と同じ考え)
戦後の日本国憲法では「国民の義務」は「国の義務」になった
憲法に国民の義務不要(憲法に国民の三大義務要らない)
「義務教育」という言葉は止めた方がいい
「国は全ての人に無償教育を与える義務を負う」とすべき
12万8千人が小学校を卒業していない。
40代以下は1日も学校行かなくても卒業証書もらっている。(形式卒業者)
福島市と厚木市の自主夜間中学に関わっているが都市部以外は夜間中学ない
憲法では学校教育でなく普通教育としている

平等権としての学習権
憲法26条 「ひとしく教育を受ける権利」女子のみ減点はこの精神に反する
教育基本法4条と憲法14条は良く似ているが、経済的差別を憲法は認め、教育基本法は認めてない。
教育無償化の前提は皆が入れる事が前提で今やっている事はおかしい。
給付型奨学金は第二次安倍政権で出来たのでその点は評価する(局長は私)

<ここから字が大きくてすみません>

社会の要請に応える大学は確認大学として無償になるが国の為に役に立たない学問は対象外(多分憲法学も)

 

参政権としての学習権

教育基本法の2006年改悪でも残った言葉がある。

個人の尊厳、学問の自由、不当な支配に服する事なく、人格の完成、平和で民主的な国の形成者

これらを大事にして行かなければならない。

 

まとめ

・憲法を学ぶ事が大事

・教育現場への同調圧力がより強まっている

・人権・平和・非暴力

ドイツの主権者教育の原則(ボイテルスバッハ合意)が大事(押し付けは駄目、論争、自分で考える)

・道徳の教科書は危険

自分で考えるようにしなければならない。

ーー

感想

教育に対する前川氏の底深い熱情を感じた。

教育に関する憲法などの体系的な話を時には現実の政治の話や歌を歌う事で笑いを取り魅了した一時間半だった。(妹さんが中曽根康弘氏の息子の中曽根弘文氏と結婚しているが中曽根内閣に忖度が無かったのは流石だった。)

 

時間が足りなかったのと450部用意したという資料が足りず貰えたなかったのは残念でしたが大盛会だったようです。

主催してくれた千住九条の会と東京民医連東部東葛ブロックに敬意を表します。

 

ボイテルスバッハ合意

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/ボイテルスバッハ合意

参考
学生節

https://youtu.be/I-AcDJYNf_E

 

既に映像がアップされてましたので詳細は映像をご覧下さい。

https://m.youtube.com/watch?v=9FvuDc25myM

以上

 

 

 

 

 

 

 

 

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2015年2月26日 (木)

学生がパソコンを持てない国に未来はあるか

 パソコンを持たない学生の割合が日本は世界の中で群を抜いて多いようです。
ある大学の先生の驚きです。

私は大学で調査統計の授業(3年生対象)を持っていますが,エクセルで簡単な棒グラフを作れない学生さんが結構いることに驚いています。

学生の貧困化の現れがここにも出ていると思います。

携帯ゲームは得意だがエクセルを使えない日本の若者が世界の若者と伍していけるとは思えない。

日本は広大な未来をここでも失っていると思います。

以下記事からの引用です。

続きを読む "学生がパソコンを持てない国に未来はあるか" »

2012年9月12日 (水)

日本政府が国際人権(社会権)規約13

本日の宮本たけし衆議院議員のメルマガによると日本政府が国際人権(社会権)規約13
条2(b)(c)の留保撤回を国連に通告したという。

国際人権規約の批准の際には、衆参の外務委員会で、「留保については諸般の動向を見て検討すること」が、全会派によって附帯決議されている。さらに、1984年7月には、日本育英会法の審議に際し、衆参の文教委員会で「諸般の動向を見て留保の解除を検討すること」が、全会派によって附帯決議されている。

日本政府は、無償教育の漸進的導入の理念とは逆行する有償教育の急進的高騰を事実上推進してきた。今日、経済格差が広がる下で、学びたくても学べない若者が増えており、高い教育費の負担は少子化の一因ともなっている。

その中でこの留保撤回を国連に通告したことは2年半前に道がひかれていたとは言え画期的なことである。
ここから教育の無償化に進まねばならない。

以下宮本さんの今日のメルマガです。


――――――――――――――――――――――――――――――――――――

★【緊急・拡散希望!】昨日ついに日本政府が国際人権(社会権)規約13
条2(b)(c)の留保撤回を国連に通告!とうとう山が動きました!

――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 緊急のお知らせ、拡散希望です。
 本日午前10時30分、外務省国際乞法局経済条約課・社会条約官室の担
当官が私のところに来て説明したところによると、日本政府は昨日の閣議で
国際人権(社会権)規約13条2の(b)項「中等教育の漸進的無償化」条
項および、(c)項「高等教育の漸進的無償化」条項の留保撤回を決定しま
した。

 その上で、昨夜23時30分(日本時間、NY時間9月11日午前10時
30分)国連に「留保撤回」の通告書を送付しました。送付後、私に最初に
報告に来たとのことでした。これは歴史的なできごとです。通告書は即受理
され、各国に日本が留保を撤回した旨の「回状」が出される予定です。

 今年2月21日の衆院予算委員会で玄葉外務大臣が私に対して「留保を撤
回したらどうかという判断をして、指示をした。そして、この間、宮本委員
も何回かこの問題で留保を撤回すべきだというふうに指摘をしていただいて
おられたということに対しても、敬意を表したい」と答弁してから半年以
上、1979年の条約批准から実に33年ぶりの快挙です。

 とりあえずお知らせします。ぜひみなさんにお知らせください。
 

続きを読む "日本政府が国際人権(社会権)規約13" »

2011年11月26日 (土)

政治とマーケットは教育に関わるべきではない(内田樹)  

11月24日にアップされた内田樹さんの平松さんの支援集会で話したこと
という長い文章を読んだ。

久しぶりに内田さんの文章を読んだが歯切れのいい文章に感心した。

スティーブ・ジョブズが出て来たり嘉納治五郎が出て来たりして「教育の意味」の意味を柔軟かつ雄弁に語っている。

平松大阪市長候補の支援集会の話のようだが教育の本質が維新の会との関係で良く語られている。
明日の選挙はどちらが勝つか分らないがよくこの文章は次期市長に読んで貰いたい。
(平松支援集会での話ですから平松氏は当然胸に刻んだ事でしょうが)

全文コピペしたいところですがそれでは内田さんに失礼ですし、長いので私のnoteした部分だけコメントとともに紹介します。


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