下村すみよさんの歌集「前奏曲」を読んだ
下村すみよさんの歌集「前奏曲」を読んだ。
11月11日に日本高齢者大会の短歌分科会での講演で彼女の教師人生などと短歌の兼ね合いを聞いたので歌の背景が少し分かって読むことが出来た。
下村さんの先生の一人でもある故水野昌雄は俵万智をその存在性が明確な事を褒めていた。
その存在性をこの歌集の下村すみよさんの歌八首に見てみた。
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原爆の詩を聞きながら問い直す教師を目指し我が原点を
(下村すみよと言う存在のレゾンデートルは原爆だった)
湖水あり春には梨の花が咲く故郷榛名はわがアポンリー
(「アボンリー」は、小説『赤毛のアン』の舞台となったカナダの村の名前です。)
アンのことを語れば尽きずふるさとの姉より届くモンゴメリー集
(赤毛のアンが結ぶ姉妹愛です)
生きてあらば百合子も栄もふきさんと同じ100歳優しく笑まん
(愛媛で開かれた日本母親大会に百歳の櫛田ふきさんがメッセージを寄せられた時の歌)
このバッター打つよと息子がボックスに立てばざわめく守備の選手ら
(このざわめきは強打者の母にもざわめきがあっただろう)
ちちははの遺影に無事に終わるのみ祈りて最後の出勤の朝
(学校の転任で最後の出勤日に父母に祈る朝)
農場を行けば賢治の同僚になりて春風受ける心地す
(農業高校に転勤になっての初日の歌。農学校と言えば作者には賢治)
大という字を百あまり空に書き啄木よりも明るく生きる
(啄木の「大といふ字を百あまり砂に書き死ぬことをやめて帰り来れり」を下敷きにしている。「啄木よりも明るく生きる」が下村すみよ)
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下村すみよさんの「存在性」を見て頂けただろうか。
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