イラクで過去最高の犠牲者が出た。
4件で200人近くが死亡した。
私が居たイラク・イラン戦争前は中東で最も治安のいい国といわれた。
その頃のことを「イラクに暮らしてという」という題で講演をしたことがある。
参考:イラクに暮らして
誰がこんな国にした。
スンニ派とシーア派は統一戦線を組む動きがあるという。
彼らの間に日本で言われているほど深刻な対立はない。
論理が通じす暴力で人の家に押し入って回っているアメリカ人との関係ほど深刻なものはない。
下に田中宇さんも書くようにアメリカはベトナム人民に受けたと同じようにイラク人民に追い出されるだろう。
以下東京新聞から引用します。
連続テロ犠牲、計200人に イラク、米軍に打撃
2007年4月19日 10時16分
【カイロ19日共同】イラクの首都バグダッドにあるイスラム教シーア派商業地区サドリヤで18日起きた自動車爆弾テロによる死者は、ロイター通信によると、140人に達し、単独のテロでイラク開戦後最悪の被害となった。首都では同日、他の少なくとも3件の爆弾テロと合わせ200人近くが死亡。大規模軍事作戦で首都の治安回復を目指すイラク軍や駐留米軍に大きな打撃となった。
4件の爆発はほぼ同時に発生していることから、綿密に計画された連続テロとの見方が強まっている。
サドリヤでのテロについてフランス公共ラジオは、イラク国防省当局者の話として、死者は172人と伝えた。
一方、AP通信によると、イラクのマリキ首相が18日、サドリヤ地区の治安を担当するイラク軍大佐の逮捕を命じた。詳しい容疑などは明らかではないが、治安維持に関する職務不履行を追及するとみられる。
いつもお世話になっている田中宇の国際ニュース解説 2007年4月17日 http://tanakanews.com/から引用します。
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★イラク石油利権をめぐる策動
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まず石油問題から
イラクで今後の石油開発の制度を定めた新たな法律が検討されている。
「石油ガス枠組法」(炭化水素法 hydrocarbons framework law)と呼ばれる
新法案は、昨年夏からアメリカの助言に沿ってイラク政府内で検討され、今年
1月の閣議で法案として決定され、その後は5月の決議を目標に、議会で審議
が進んでいる。法案は、今後イラクで行われる新しい油田・ガス田の開発につ
いて、外国からの投資を受け入れるとともに、石油やガスの販売によって得た
利益を、外資の石油会社、イラクの中央政府、地方政府(クルド自治政府など)
が山分けすることを定めている。
http://www.earthtimes.org/articles/show/45126.html
(新法の対象は今後開発する油田に限られる。既存の油田は、従来通りイラク
国営石油会社が所有運営する)
従来のイラクでは、油田は中央政府(国営石油会社)の所有運営するもので、
外国企業や地方政府への利権分配はなかった。イラク中央政府のマリキ首相は、
新法の制定を機に外国からの投資を呼び込むため、4月上旬には日本や韓国を
訪問した。
http://sg.news.yahoo.com/070409/1/47phk.html
イラクの油田は1972年に副大統領だったサダム・フセインが中心になっ
て国有化し、それまで石油利権を握っていた欧米石油会社を追い出した。今回
の新法は、その流れを逆流させるものだ。新法ができると、米英などの外国資
本と、地方政府、特に親米・親イスラエルのクルド人政府に石油の利権が分配
され、イラクの石油利権は「サダム以前」に戻される。世の中には、アメリカ
のイラク侵攻は石油利権獲得のために違いないと信じ込んでいる人々が意外と
多く、そういった人々にとって、この石油新法は「やっぱりね」という感じの
話になっている。
だが、この石油新法をめぐる話を詳細に見ていくと、新法によってイラクの
石油開発が進む可能性は低い。むしろ、新法は利権分配の方法について曖昧な
点が多いので、逆にイラク国内のクルド人、シーア派などの間の石油利権をめ
ぐる争奪戦を激化させ、イラクの政情の不安定化に貢献する恐れの方が大きい。
石油ガス産業は、油井施設、長いパイプライン、精油所、積出港など、軍事攻
撃に弱い施設を多く抱える産業で、操業には地域の長期的な政情安定が不可欠
である。イラクの政情が今のように不安定である限り、イラクで新しい油田や
ガス田が開発される見通しは低い。外資企業は、予備的な調査以上のことをや
りたがらないだろう。
http://www.forbes.com/digitalentertainment/2007/03/06/hydrocarbons-oil-iraq-biz-cx_0307oxford.html
次はイラク3分割案
▼石油利権を潰すイラク3分割
イラクの石油新法は昨夏、ブッシュ政権によって提案されたが、そこには最
初から「イラク3分割」を加速させる意図が見え隠れしていた。3分割とは、
イラクをクルド、スンニ、シーアの3地域に分割する案である。3地域のうち
クルド(キルクーク)とシーア(バスラ)の地域には大油田地帯がある。スン
ニ派の地域からは石油が見つかっていないが、最近「スンニ派の地域からも石
油が出ることが分かった」という情報が(おそらくスンニ派を説得する意図を
持って)流された。
http://www.iht.com/articles/2007/02/19/africa/web.02.php
イラクの3大勢力がそれぞれ油田を持ち、それぞれが勝手に自活して、イラ
クという統一国家は消滅する、というのが3分割案で、これはイスラエルが以
前から強力に推進し、ブッシュ政権はイスラエルからの圧力を受け、3分割を
加速させる石油新法を出してきた。イラクの議員が新法の法案を見たのは、イ
ラク政府の閣議決定の前後、法案がインターネット上に漏洩した時が初めてだ
った。
http://www.atimes.com/atimes/Middle_East/IB28Ak02.html
ここで重要なのは、イスラエルがイラクの3分割を望むのは、イラクを混乱
させ、イスラエルと敵対できないような弱い状態に置くためだという点である。
分割後の3つの小国家が安定して石油を産出することは、イスラエルは望んで
いない。豊かな石油収入があれば、小国家でも武器を買ってイスラエルを攻撃
できる。3分割案は、石油をエサに、イラクのスンニ・シーア・クルドを分裂
させ、相互に内戦させ、石油を出せない貧しい状態を永続させることが目的で
ある。
イラクの3分割は、欧米の石油会社の利益にはならない。「ブッシュは石油
利権獲得のためにイラクを3分割するのだ」という、あちこちで見かける分析
は浅薄である。もしブッシュ政権が、イラクを3分割した上で分割後の3カ国
からの石油産出の上前をはねて儲けたいのなら、先に3分割の話を進め、分割
後の3カ国を安定させてから、石油新法を出す必要がある。しかし実際には、
ブッシュ政権はイラクを3分割する場合の国境線の案すら出していない。3分
割案は安定が目的ではなく、イラク内部の3派閥の相互の内戦化、不安定化が
目的であると感じられる。
アラブの敵対に包囲されているイスラエルは、当然ながら、アラブ産油国を
内戦状態にして、石油の出せない貧しく弱い状況に置くことを望んでいる。そ
の点で、欧米の石油会社の利益と対立している。911事件後、アメリカの親
イスラエル系のマスコミに「911は、サウジアラビアの王家と親しいビンラ
ディン一族出身のオサマ・ビンラディンがやったこと」「ブッシュはサウジ王
家と縁を切れ」「テロの資金源になっているサウジの油田を没収せよ」という
記事が頻出したのは、イスラエルの国家戦略から考えれば自然な動きだった。
イラク国内で、自国の3分割を望んでいるのは、北部のクルド人である。以
前の記事( http://tanakanews.com/070209kurd.htm )に書いたように、クル
ド人は、キルクークの油田を自分たちのものにして、イラクから分離独立し、
石油収入を使ってイラク・トルコ・シリア・イランにまたがる大クルド国家を
作ろうとしている。これは、100年前からのクルド人の悲願である。イスラ
エルは、イラク、シリア、イランという、イスラエルを敵視する国々を不安定
化できるので、この悲願達成を1990年代から支援している。クルド人の軍
隊「ペシュメガ」を訓練したのは、米軍と、イスラエルの軍事諜報機関(モサ
ド)である。
最後にイラク戦争の見通しに関してはこう書いている。
これは、ベトナム戦争で米軍が負けた構図と同じものであり、イラク戦争は
ベトナム戦争と同様に負ける可能性が増大している。米軍がイラクで勝つこと
は、もはや不可能であると、何人ものアメリカの専門家が予測している。スン
ニ・シーアの諸派をうまく結束させることができれば、サドル派を中心とする
イラク人は、米軍を全崩壊的な撤退に追い込むことが可能な状況になっている。
http://www.guardian.co.uk/Iraq/Story/0,,2023865,00.html
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