今朝池袋のシネマ・ロサ で映画「パンケーキを毒見する」を観ました。今年初めての劇場映画視聴です。
菅さんの辞任が決まり人気が減ったのか朝9:30からの回だったからか観客は10人程度でした。
この映画は若い人を意識してアニメを多用してました。特に最後の羊がバタバタ死んでいく場面は考えさせるものがありました。
小池晃さんの質問などの国会質疑の上西充子さんの分析解説が秀逸でした。
上西さんはTwitterでこう書いています。
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映画『パンケーキを毒見する』では、菅首相の国会質疑について、ニュース映像的に端的に編集したものと実際の質疑を見比べることができるようになっています。
菅首相の記者会見も、実際の発言と意味をくんで整えた通常の記事原稿を見比べることができる記事を、たまにでいいので、やってほしいです。
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監督の姿勢はこのインタビューによく現れている。
リアルな証言だけが浮かび上がらせる真実
このように政治バラエティーらしい手法で展開しながら、徐々に問題の核心へと切り込んでいく。こだわったのは証言が一次情報であることだ。
「リアルな証言であることには徹底してこだわりました。どこからの情報だか分からないような、評論家めいた上から目線の話には何の興味もなかった。誰からどのタイミングで聞いたか、証言者本人が事実関係を明らかにできる内容でないと、足元をすくわれますから」
しかし、堂々と名乗り出て、首相および官邸の急所を突くような証言ができる人は、ますます限られてくる。ここで登場するのが、安倍政権時代から官邸とやり合ってきた、経産省の元官僚、古賀茂明氏、元文部科学事務次官の前川喜平氏の2人だ。これは、政権寄りの人々から見れば、「反官邸」色の濃い顔触れであるのは確かだ。
「裏を返せば、彼らが反官邸にならざるを得なくなった明確な理由があるということなんですよ。こういうリアルな証言こそがどれだけ大事かということです。政治的な立場どうこうの人選ではありません。彼らの体験に基づく “言葉の重み”。 総理なのに空虚で無責任な言葉しか持たない人間との対比になると思います」
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更に赤旗編集部への突撃インタビューについてはこうある。
古賀、前川の両氏が明らかにしていくのは、官邸に歯向かうと、どのように圧力をかけられるのか、実名を挙げた具体的なルートだ。こうして菅首相の権力の基盤が、要所に警察出身者を配した省庁の高官人事にあることが明らかになってくる。そしてもう1つはカネ、7年8カ月にわたる歴代最長の内閣官房長官時代に自身の裁量で動かすことのできた官房機密費の存在だ。
これを「1日307万円」という具体的な額でスクープしたのは、日本共産党の機関紙「しんぶん赤旗」。今回のドキュメンタリーは赤旗編集部に入り込んだ貴重な記録にもなっている。その一方で、全国紙の記者たちは、就任後に招かれた懇談会にいそいそと出かけて行き、振る舞われたパンケーキをほおばって喜んでいる有様だ。
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引用ばかりになりましたが、この映画は日本に政治バラエティという新ジャンルを作ったのかも知れない。
赤旗や共産党が大手メディアへのアンチテーゼとしてこれほど紹介された映画は日本の映画史上初めてだろう。
日常的にこういう表現がされる時代が来るのだろう。
共産党に肯定的な人も否定的な人も今年見るべき映画の一つだろう。
パンケーキを食べようか思ったが見つからず諦めました。
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映画紹介
「新聞記者」「i 新聞記者ドキュメント」などの社会派作品を送り出してきた映画プロデューサーの河村光庸が企画・製作・エグゼクティブプロデューサーを務め、第99代内閣総理大臣・菅義偉の素顔に迫った政治ドキュメンタリー。ブラックユーモアを交えながらシニカルな視点で日本政治の現在を捉えた。秋田県のイチゴ農家出身で、上京してダンボール工場で働いたのちに国会議員の秘書となり、横浜市議会議員を経て衆議院議員となった菅氏。世襲議員ではない叩き上げの首相として誕生した菅政権は、携帯料金の値下げ要請など一般受けする政策を行う一方で、学術会議の任命拒否や中小企業改革を断行した。映画では、石破茂氏、江田憲司氏らの政治家や元官僚、ジャーナリストや各界の専門家に話を聞き、菅義偉という人物について、そして菅政権が何を目指し、日本がどこへ向かうのかを語る。さらに菅首相のこれまでの国会答弁を徹底的に検証し、ポーカーフェイスの裏に隠された本心を探る。
https://eiga.com/movie/95083/
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