首相が国連気候変動サミットで温室効果ガスを20年までに90年比25%削減する中期目標を表明したことについて潘事務総長が「加盟国から大変好意的に受け止められている」と評価し、各国の首脳からも以下のように高く評価されている。
引用開始
【ニューヨーク=松尾理也】国連の潘基文事務総長は22日、気候変動サミットの閉幕にあたり、「世界の指導者たちの決意を示した」と、成果を評価する議長総括を発表した。潘事務総長はまた、日本の鳩山首相が示した2020年までに1990年比で25%削減するとの国際公約について、「難航していた交渉に、新たな息吹が芽生えた。この勢いがさらにいい結果につながることを望む」と、高く評価した。
潘事務総長は、日本が示した25%削減の目標を「めざましい飛躍」と表現した上で、「日本政府の野心的な目標は、(気候変動対策に消極的な)途上国の動向にも影響を与えるだろう」と最大限の賛辞を贈った。
このほかにも、中国が温室効果ガス抑制に向け積極的な姿勢を示したことなどを挙げ、この日の会合が、今年12月にコペンハーゲンで開かれる国連気候変動枠組み条約第15回締結会議(COP15)での合意に向け、大きな追い風になったとの認識を示した。
日本の演説をめぐっては、鳩山首相に引き続き開会式で演説に望んだフランスのサルコジ大統領が「力強い制約を行った新たな日本の指導者に敬意を表したい」と述べたほか、会合に出席したゴア元米副大統領も「極めて強い印象を受けた」と述べるなど、高い評価が相次いだ。
引用終了
国連事務総長「鳩山演説は新たな息吹」
2009.9.23 10:05
かつて日本の総理の国連での演説でこんなに高く評価されたことがあっただろうか?
この上は中国とアメリカに頑張ってもらわなければならないが、今回オバマ大統領から示されていないアメリカの数値目標については、アメリカの2020年に1990年に戻すという先にオバマ大統領が表明したアメリカの中期目標はについては今回の鳩山演説と同じ数値目標位だというこういう分析もある。
立命館大学の佐和隆光教授
20年に人口が90年比33.4%増になるアメリカの中期目標は「1人当たりの温室効果ガス排出量を90年比25%削減することを意味する。
人口が横ばいの日本の90年比25%削減の目標と同等だ」
東北の大学の明日香壽川教授がいう
「日本は笑われるだけでなく、ずるいと思われている。国際交渉で、すでに日本は悪役」
という存在から
この演説で「すでに日本は正義の味方」
に変わったのだろう。
明日香壽川教授は中国についてこう言っていた。
「日本と中国の鉄鋼生産エネルギー効率を比較するちと04年には中国の最高水準が日本平均よりもよく、製鉄部門では米国やEUより省エネ機器の普及率が高くなっている。」
中国も少し期待を持たせる言い方をしているので今後に期待しよう。
それにしても「鳩山イニシアティブ」は世界に一石を投じた。
財界の新聞日本経済新聞も今日の社説にこう書いていた。
社説1 鳩山演説を温暖化交渉の加速に生かせ(9/24)
まず「鳩山イニシアチブ」についてこう書く。
米中両国には、合意に向けもう一歩踏み込んだ姿勢を求めたい。鳩山政権は、主要国への働きかけを強め、将来の地球環境を左右する交渉を加速する役割を担ってほしい。
途上国の温暖化対策を後押しする「鳩山イニシアチブ」は「全員参加」への足がかりになりうる。今回はその原則を示すにとどまった。資金規模や技術支援の進め方などイニシアチブの具体的な内容を詰め、早期に各国に示す必要がある。
国連での約束は、鳩山首相に国内の合意形成という課題を残した。
そして経済界へ向けて今までとは違うこういう書き方をした。
新たな中期目標に対し「高すぎる」との批判がある。その根拠として、家計への負担を「年間約36万円」などとする過去の政府試算が引き合いに出される。麻生政権での検討会がはじき出した数値だ。
この試算は技術革新に伴う新産業の創造を考慮しておらず、今の産業構造を前提に対策コストを積み上げた結果だとも指摘されてきた。政府が明確な目標を掲げれば、企業は確信をもって関連分野での技術開発や設備への投資を推進できる。
国際的な約束が国内で確固たる支持を得るためには、排出削減が新たな市場をつくりだし経済成長の支えにもなるという共通認識の形成が必要だ。負担の多寡だけの議論は的はずれになる。負担をできるだけ軽く公平にしつつ、持続的成長を可能にする国家戦略の議論を望む。
また
春秋(一面のコラム)でこう書いている。
今までの業界団体と政治の「和」について述べた後こう書いている。
「意見の一致を待てば和を保てるが、結論は前例踏襲になりがち。かつてトヨタ自動車が織機の次に始めた自動車事業も、イトーヨーカ堂のコンビニエンス事業も、社内が猛反対するなかで船出した。
25%削減は簡単ではないが、異を唱えるだけでは企業内部の革新的な意見を生かす力を失う。それが心配だ。」
「首相になった鳩山さんが24日の国連の会議などで、民主党の掲げる温室効果ガス削減の中期目標を国際的にコミット(公約)しちゃうと大変だ」9月2日の臨時正副会長会議で語った経団連の財界首脳はこの日経の提起と助言にどう答えるのだろうか?
参考弊記事
2009年6月10日 (水)
8%削減を15%と言う方法
お元気ですか皆さ~ん
今日は本当にこんな所でございます。
参考になりましたらこちらのクリックお願いいたします。
→人気ブログランキングへ
良ければこちらもお願い致します
→FC2ブログランキング
更によければこれもお願いします。
→
最近のコメント